死者の罪を裁く最強の王達!地獄の十王!

人がこの世に誕生した時、
その神もまた誕生する。

地獄の使い、倶生神(くしょうじん)。

男女の二柱は人の両肩に乗り、
その挙動を一分一秒、
余すことなく見つめている。

この世で積んだ善行。

隠れて働いた悪行。

倶生神はすべてを記録し
地獄の閻魔ら十王に報告する。

こうしている今この時にも
あなたは背後の存在に、常に監視されている。

魂の行き着く先は、
極楽浄土か、奈落の底か。

地獄に待つ仏の化身、
十王が裁きを下すその時に
あなたの死後の命運は決定される。

こんにちは。えむちゃんです。
今回は、死者の罪を裁く最強の王達!
地獄の十王をご紹介します。

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冥土の旅

生まれ変わりの行く先は様々です。

天人になり天界の空を飛び回る、天道

人になり四苦八苦に苦悩する、人間道

絶えず血を流し戦い続ける、修羅道

虫や動物となり苦しみを受ける、畜生道

鬼と化し、飢えと乾きに苛まれる、餓鬼道

そして、罪人らが罪を償う奈落の底、地獄道

この六道輪廻(ろくどうりんね)の中、
生き物の魂はやがて浄化し仏となるまで
永遠に生と死とを繰り返します。

では、その行き先は
どのように決定されるのでしょう。

極端な善人と悪人の場合
極楽・地獄行きが即座に決まりますが、
これは極めて少数。

生き物の殆どは、
善も悪も行ってきています。

ゆえに、亡者の魂は
その行く先が決まるまで冥土にとどまり、
生前犯した罪の重さを量られ
地獄の十王に裁きを受けるのです。

それではこれより、魂が冥土を巡る順に
十の裁判官たちをご紹介します。

死後の予行演習・・・

いいえ・・・
生前、魂が冥土の裁きを受けて
人としてこの世に生まれたのなら、
これはおさらいでしょうか。

「懐かしの」冥土巡り。

どうぞあなたも楽しんで・・・

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死者の罪を裁く!地獄の十王!

第一の王:秦広王

魂が身体から離れて七日後の、
初七日(しょなのか)。

三途の川も渡らぬうちに、
地獄の審判は開始される。

裁きを下すは第一の王、
不動明王の化身、秦広王(しんこうおう)。

怒れる面様で睨みつけ、
両肩に宿る倶生神の記録に基づき
“殺生”の罪を審理する。

十王による地獄の審判は
7日ごと、49日にわたって続く。

第二の王:初江王

死後十四日目の、二七日(ふたなのか)。

裁きを下すは第二の王
釈迦如来の化身、初江王(しょこうおう)。

審判の目前、三途の川が流れるが、
第一審の罪により渡る場所が分けられる。

善人は美しい装飾の橋の上。

軽い罪を犯した者は、浅瀬の山水瀬(さんすいせ)。

大罪人は大変で、水底深く、水流速く、
大岩、大蛇、鬼の待つ強深瀬(ごうしんせ)。

やっと渡った対岸に待ち構えるは
懸衣翁奪衣婆

亡者の衣服を剥ぎ取り、
衣領樹の木の枝にかけ
罪の重さに枝はしなる。

総合して、初江王は
“盗み”の罪を審理する。

第三の王:宋帝王

死後二十一日目の、三七日(みなぬか)。

裁きを下すは第三の王
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の化身、
宋帝王(そうていおう)。

“邪淫”の罪を審理し、
不純を犯していようものなら
化け猫と大蛇が集まり
亡者の身体を食いちぎり、締め上げる。

すでに地獄道さながらの責め苦。

しかし、この程度では
罪を償うことにはならない。

第四の王:五官王

死後二十八日目の、四七日(よなのか)。

裁きを下すは第四の王
普賢菩薩(ふげんぼさつ)の化身、
五官王(ごかんおう)。

嘘をつき、言葉で人を傷つけた罪が
秤によって測られる。

亡者が近づけば秤は勝手に動き出し
嘘も誤魔化しも通じない。

以上、四度に渡る裁きは
次の王へと共有される。

第五の王:閻魔王

死後三十五日目の、五七日(いつなのか)。

裁きを下すは第五の王
地蔵菩薩の化身、閻魔王

浄玻璃の鏡
生前の善も悪も全てをくまなく映し出し、
亡者はいかなる隠し事もできない。

閻魔王の左右に控えるは、
地獄の書記官。

下された罪状を読み上げる司命と、
判決文を記録する司録

人の両肩に宿る倶生神の記録と
すべての裁きの結果を元に、
閻魔王は転生する行き先を言い渡す。

天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道。

ここまで決まって審判はなお
慎重に続けられる。

第六の王:変成王

死後四十二日目の、六七日(むなのか)。

裁きを下すは第六の王
弥勒菩薩(みろくぼさつ)の化身、
変成王(へんじょうおう)。

電光散らす巨大な石に打ち砕かれ
鉄丸所を通り抜けた先に
ようやくまみえる。

五官王と閻魔王が明らかにした
全ての罪を再び審査し、
生まれ変わりを詳しく決める。

人に転生するならば、
豊かなものか、苦しいものか。

行き先が地獄ならば、
どの程度の地獄に落ちるのか。

十王の中でも比較的寛容な変成王は
亡者の言葉を聞き入れ、諭す。

第七の王:泰山王

さていよいよが最後の審判。

死後四十九日目の、七七日(なななぬか)。

裁きを下すは第七の王
薬師如来の化身、泰山王(たいざんおう)。

生前犯した両舌の罪、
すなわち人の仲を引き裂いた者が裁かれる。

そして、生まれ変わりの寿命や性別、
全ての諸条件が決定される。

以上、四十九日が
転生までの準備期間。

亡者の魂は各々の行く先へと通ずる
鳥居をくぐる。

これより先の王たちは
罪の再審を行う。

第八の王:平等王

死後百日目の、百か日(ひゃっかにち)。

裁きを下すは第八の王
観音菩薩の化身、
平等王(びょうどうおう)。

ひどく恐ろしい表情とは裏腹に
その心は慈悲で満ちている。

平等王は、遺族の貪欲の罪を戒める。

遺族が供養に努めれば
悪道に堕ちた者たちにも救済が与えられ、

善趣に進んだ者たちは
さらなる徳を積むことができる。

第九の王:都市王

死後一年目の、一周忌。

裁きを下すは第九の王
勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身、
都市王(としおう)。

生前の罪により
地獄に落とされた亡者も
残された者たちの熱心な供養により
再審の機会が与えられる。

しかし、都市王の持つお経の入った箱に
悪しき下心を持ってすがりつけば
激しい火が出てその身を焼かれてしまう。

第十の王:五道転輪王

長きにわたる地獄の審判。

いかなる結果になろうとも、
この場が亡者に残された最後の機会。

死後2年目の、三回忌。

再審最後の裁きを下すは第十の王
阿弥陀如来の化身、
五道転輪王(ごどうてんりんおう)。

審判の場は第十審に相応しい
地獄のほど近く。

どれほどの大罪を犯した者も
遺族のさらなる供養が届けば
彼らの願いは裁量される。

亡者の心からの反省が見えた時、
五道転輪王が最後の救済の機会を与える。

死後に行き着く冥土巡りの旅は
いかがでしたか?

さて、いかなる罪人にも救済を与える
再審の三王は、実は中国から伝来し、
後から付け加えられたとされています。

さらに平安など後の時代には
死後の旅路が穏やかなものになるようにと
様々な風習が行われるようになりました。

遺族らによる追善供養は
審判の際の酌量を願ってのこと。

棺桶にお金を入れるのは
三途の川の船頭に渡し賃六文を支払い、
船に乗って安全に川を渡れるように。

死者の着物の襟を左前に着させるのは
奪衣婆に衣服を剥ぎ取られないように。

今の時代も昔にも、
遺された人々は変わらず
亡き人の死後の世界での安寧を願うのでしょう。

とはいえ、もしもこの世で
大変な罪を働いてしまえば、
罪人は十王の審判ののち
奈落の底へと落とされる。

世にも恐ろしい日本の八大地獄については
こちらの記事でご紹介していますので
ぜひチェックしてみてくださいね!

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