世にも恐ろしい奈落の底!日本の八大地獄!
三途の川を渡った先に待つ地獄。
罪人の纏う衣服は
奪衣婆(だつえば)に剥ぎ取られ、
それを懸衣翁(けんえおう)が
衣領樹(えりょうじゅ)の木に掛けると
生前犯した罪の重さが、
枝を深くしならせる。
閻魔王ら十王に、7日ごと審判を受け、
49日の経つ頃に、ようやく裁きは下される。
罪人は下へ、下へ・・
地獄の底へと落とされる。
これよりご覧にいれるのは
世にも恐ろしい、8つの地獄。
血も凍るような“地獄絵図”に、
さて貴方は、どこまで目を逸らさずにいられるか?
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、世にも恐ろしい奈落の底!日本の八大地獄をご紹介します。
仏教における五悪
仏教において悪とされる5つのこと。
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語(もうご)。
すなわち、生き物を殺すこと、
盗みを働くこと、
配偶者以外の者と交わること、
酒を飲むこと、
そして、嘘をつくこと。
これらは五悪(ごあく)と呼ばれ、
仏教を信じる者は僧侶でなくとも
一様に禁じられ
五戒(ごかい)として
戒められていました。
簡単に犯してしまえるものばかりでしょう?
五悪を避けて通るとは
実は非常に難しいことなのです。
このうち一つでも破れば
死後の世界で罪に問われ、
奈落の底へ真っ逆さま。
罪を犯した者たちよ。
地獄へようこそ。
さあ、いよいよ八大地獄巡りの始まりです。
日本の八大地獄
第一層:等活地獄
この世の1000由旬(ゆじゅん)下、
地中深くにありながら
最も上層に位置する
最も易しい第一の地獄、
等活地獄(とうかつじごく)。
徒(いたず)らに生き物の命を奪った者が落ちる場所。
争い好きだった者や、
小虫を殺して懺悔しなかった者、
反乱を起こし、命を落とした者。
罪人たちは鉄の爪で殺し合う。
獄卒(ごくそつ)の鬼に捕まれば
引き裂かれ、切り刻まれ、
様々な形で苦しめられ
粉々になって絶命する。
しかし鬼が声を一度掛ければ
傷は癒え、生き返る。
殺し合いの苦しみは
500年もの間、絶え間なく続く。
ただし、これは地獄における単位。
天界、人の世、地獄とでは
時間の尺が異なります。
等活地獄での一昼夜とは
天界における500年。
そして天界での一昼夜は
人間界では50年にあたります。
すなわち等活地獄での500年とは
1兆年を優に超える
実に果てしない歳月なのです。
ですが、ここはまだ
一番易しい第一の地獄。
第二、第三と下るごとに
刑期と罰は10倍ずつ膨れ上がっていくのです。
第二層:黒縄地獄
等活地獄の下に広がる
鬼がひしめく第二層、
黒縄地獄(こくじょうじごく)。
殺生と、盗みを働いた者が落ちる場所。
逃げ惑う罪人たちを、鬼は次々捕らえては
熱した鉄の縄で縛り上げる。
焼け爛れたその身体を、
鬼はさらに縄目に沿って
熱した斧や鋸で切り裂く。
時には鉄の網で焼かれ、
カンカンに熱した大釜に落とされ・・・
懺悔をしても、もう手遅れ。
刑期を全うするほか、
逃げ場はどこにもありません。
第三層:衆合地獄
黒縄地獄の下に位置するは
誘惑と激痛の第三層、
衆合地獄(しゅうごうじごく)。
殺生、盗み、
そして不純な行いをした者が落ちる場所。
地獄にそびえる鉄の山。
その狭間に追い込まれた罪人は
崩れる山に押し潰される。
臼(うす)にすり潰され、
鉄の象に踏み潰され、
大岩に潰され・・・
罪人は次々と圧死する。
そう、ここは別名「堆圧地獄(たいあつじごく)」。
しかし罰はこのほかにも・・・
必死で鬼から逃れた先、ふと見上げると
地獄の林の木の上に
妖艶な美女が手招きする。
木の葉は鋭く尖った剣。
誘惑された罪人たちは
血を吹きながら木を登り、
やっと上に着いた頃には
美女はいつの間に木の下に・・・
こうして哀れな罪人たちは
激痛と共に登り降りを繰り返すのです。
第四層:叫喚地獄
衆合地獄のさらに下に位置するは
叫び声の轟く第四層、
叫喚地獄(きょうかんじごく)。
殺生と盗み、邪淫(じゃいん)に加え、
酒で悪事を働いた者が落ちる場所。
罪人たちは熱湯の大釜で煮られ、
炎燃え盛る鉄の部屋に入れられ、
苦痛の叫びが響き渡る。
しかし、一度、声を上げようものなら、
獄卒たちは激昂し
さらなる酷い仕打ちを受ける。
巨大な鬼が風の速さで追い回し、
弓で射抜かれ、
熱い鉄の上を走らされ、
鉄の棒で殴り殺され、
屍にはウジが湧き
骨になるまで食い尽くされる。
八大地獄もようやく中腹。
この先待つのはさらなる責め苦。
より残酷な苦しみが、罪人たちを苦しめる。
第五層:大叫喚地獄
叫喚地獄の下に位置するは
より一層の阿鼻叫喚の第五層、
大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)。
殺生、盗み、邪淫、飲酒、
そして嘘をつき、五戒全てを犯した者が落ちる場所。
叫喚地獄を超える巨大な釜は
もたらす苦痛も10倍。
妄言を吐いたその口には
熱した鉄の針が刺され、
舌を引き抜かれる。
千切れた舌は再生し、
刑期が終わるその時まで
何度も、何度も、引き抜かれる。
こんなことなら、
嘘なんてつかなければよかった・・・
罪人たちの悲痛な声が聞こえてきそうです。
第六層:焦熱地獄
大叫喚地獄の下に位置するは
灼熱の火が燃え盛る第六層、
焦熱地獄(しょうねつじごく)。
殺生、盗み、邪淫、飲酒、
妄語(もうご)の五悪に加え、
因果の道理を無視し、
誤った考え、行いをした者が落ちる場所。
罪人たちを呑み込む業火は
ほかの地獄で受けた炎が
雪のように感じられるほど。
鉄板の上に並べられ、
黒焦げになるまで繰り返し炙られる。
串刺し、丸焼き、肉団子。
さながら地獄のバーベキュー。
しかし、これでまだましと思えるほどに、
第七の地獄は恐ろしいのです。
第七層:大焦熱地獄
焦熱地獄の下に位置するは
さらなる猛火の第七層、
大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)。
五悪、邪見に加え、
尼僧(にそう)や童女(どうじょ)など
清く聖なる者たちへの罪を犯した者が落ちる場所。
見渡す限りの灼熱の炎。
焦熱地獄の10倍もの炎熱は、
あらゆる形で罪人たちに苦しみを与える。
この責め苦がどれほど続くか?
人間界に換算して、
実に43京6551兆6800億年。
叫び声は虚しく響き、
遥か彼方にこだまする。
さあ、地獄巡りもいよいよ大詰め。
最下層、奈落の底が見えてきました。
第八層:無間地獄・阿鼻地獄
無間地獄(むけんじごく)。
またの名を阿鼻地獄。
以上全ての罪に加え、
父母や聖者、主君を殺めた
最も罪の重い者が落ちる場所。
その広さ、縦横2万由旬(ゆじゅん)。
真っ直ぐ落ちて到達するまで
2000年の深さ。
死屍累々の大罪人。
ここでの苦痛に比べれば
ほかの地獄など、極楽も同然。
他の責め苦を1とすれば、
無間地獄は1000にものぼる。
無限の苦しみは終わることはない。
生まれ変わりも、もはやない。
世にも恐ろしい八大地獄巡り。
お楽しみいただけましたか?
さて、仏教における五悪のように
古く世界には様々な悪を戒める教えが伝えられています。
キリスト教に伝わる、
やがて人間を罪へと導く
“七つの大罪”もその一つ。
その身を滅ぼす、あまねく人間の性。
7つの欲や感情を司る、
恐ろしい悪魔たちについては
こちらの記事でご紹介していますので
ぜひチェックしてみてくださいね!