【北欧神話2】オーディンと世界を駆ける神の馬スレイプニルの物語

会議に駆け行く二人は誰ぞ。

三つ目、十脚に、尾が一つ。
かくて二人は空かける。

(古来、北欧神話に伝わる謎)

北欧神話の最高神・オーディンが愛した “最高の馬”スレイプニル

彼がいれば、神の世界、巨人の世界、死者の世界、どこへでも行ける。

こんばんは。えむちゃんです。

今宵は、最高神オーディンと神の馬スレイプニルにまつわる物語をお話ししましょう。

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最高神オーディン

世界に初めて現れた、最初の神ブーリ。

その息子ボルと、巨人ベストラの間に生まれたオーディンは、のちにこの世の天地を創造しました。

ゆえにオーディンは、万物の父と呼ばれ、神々の頂点に立つ最高神とされています。

最高神オーディンは、その座に相応しい威厳と魔術を持ち、また、学びに大変貪欲な神でした。

知識を得るためなら、命も惜しくない。

彼はそれほどに知識を求めました。

神の馬スレイプニル

そんなオーディンがこよなく愛していたことがあります。

それは、世界中を旅することです。

旅の中で得られる知識、情報、経験・・・

彼にとっては、この上ない学びの場でした。

旅をする際、オーディンはスレイプニルという名の馬を連れていきました。

灰色の毛並みに、駿足の八本の脚。

スレイプニルは、”全ての馬の中で最高”と讃えられるほどに、素晴らしい馬でした。

スレイプニルがいれば、陸海空、どこに行くにも自由自在です。

二人は世界中を旅して回りました。

スレイプニルとグルファクシ

ある時、オーディンはスレイプニルに乗って、巨人たちの住む国ヨーツンヘイムを訪れました。

そこで、巨人フルングニルと、彼の愛馬グルファクシに出会います。

フルングニルはオーディンを見て尋ねました。

「その素晴らしい馬に乗っている、お前は一体何者だ?」

オーディンは「流石に自分の正体を分かっているだろう」と考え、この問いには答えず、

「ヨーツンヘイムには、これほどの馬はいないだろう」

と返しました。

するとフルングニルはこう答えました。

「我が馬、グルファクシの方が、その馬よりも早く走るだろう」

オーディンは何も返さず、そのままスレイプニルを走らせ、颯爽と立ち去ります。

これを受け巨人フルングニルは、なんて無礼な奴だと大激怒。

愛馬グルファクシに飛び乗り、急いでオーディンを追いかけました。

スレイプニルは風のように走ります。

グルファクシも引き離されないように、何とかついていきました。

怒りで我を忘れた巨人フルングニルは、必死に後を追うままに、ついに神々の世界アースガルズまで辿り着いてしまうのです。

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雷神トールの登場と拗ねるオーディン

グルファクシの見事な走りを見て感心したオーディンは、フルングニルを自分の館に招待しました。

オーディンはフルングニルに酒を勧め、フルングニルは神々の宴に混ざって次々と酒を空けていきました。

さて、すっかり酒のまわったフルングニルは、少々やっかいになってきました。

「神々の国を破壊して女神を連れ帰ってやる」

彼の暴言にうんざりした神々は、オーディンの息子にして、軍神であるトールを呼び出しました。

怒ったトールは、フルングニルと決闘することを約束するのでした。

後日。

二人の決闘は、神々の国と巨人の国の境で行われました。

多くの巨人たちが見守る中、ついに戦いの決着が着きました。

トールが投げたミョルニルの槌が、フルングニルの頭蓋骨を砕いたのです。

勝利をおさめたトールは、フルングニルの愛馬グルファクシを譲り受け、それを息子のマグニに与えました。

これで神々も一安心。

ところが、オーディンだけは、スレイプニルに匹敵する速い馬を自分に譲ってもらえずに、悔しがったのでした。

今夜のお話はいかがでしたか?

おやすみ前の神話シリーズでは、世界中の神話をお話しします。

併せて、えむちゃんの朗読ちゃんねるもぜひ訪れてみてくださいね!

今日も一日、お疲れさまでした。

それでは、良い夢を。

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