【北欧神話3】最強の雷神トールの誕生の物語

眉を上げ、赤き顎髭をふるわし、
低く呟きつつ
トールは真っ先に
光る眼より激しき
稲妻を放って 来る。

車輪の一つ一つが
雷霆の音を轟かせば
トールは物凄き槌をふるって
大地と天空とを揺るがしつ。

雲は上に裂け
地は下に慄きぬ。

『ヴァルハラ』

北欧神話における最強の雷神・トール

いかなる敵であっても、彼の前には敵わない。

こんばんは。えむちゃんです。

今宵は、北欧神話、雷神トールの誕生の物語をお話ししましょう。

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雷神トールの誕生

その日、最高神オーディンと大地の女神ヨルズの間には、可愛らしい男の子が生まれました。

「雷霆」を意味する“トール”と名付けられたその赤子こそ、後に“最強の戦神”となる運命の子でした。

トールは、幼い頃から群を抜いて体が大きく、さらに力の強さも凄まじいものでした。

生まれてまもなく、熊の毛皮を入れた大きなカゴを10個ほど持ち上げて、軽々と投げ飛ばし、周りの神々を驚かせたこともありました。

トールは、普段はおとなしい子供でしたが、時々癇癪を起こして怒り出すことがありました。

そうなると、母親のヨルズですら手に負えません。

やがてトールは、ヴィングニル、フロラの夫婦のもとに預けられることとなりました。

夫婦はトールを上手にあやし、立派に育てあげました。

トールも二人のことが大好きで、その恩を生涯忘れることはありませんでした。

雷神トールの青年時代

成長したトールは、逞しい青年に育ちました。

大きい体に、鋼のような筋肉。

髪と顎髭は炎のように赤く染まり、怒ると激しい火花が弾けます。

トールは戦闘能力に長け、二頭の山羊の引く戦車に乗って戦場を駆け回りました。

彼の持つ最強の武器は、屈強なトールにしか扱えない、巨大な槌”ミョルニル“。

投げれば必ず敵に命中して手元に戻ってくる優れものですが、なにせ柄が短く、加えてとても重いので
生身のままでは、流石のトールも扱うことができません。

そこで、力を倍増させるメギンギョルズのベルトを腰に巻き、さらにミョルニルを受け止めるための鉄の籠手”ヤールングレイプル“を装備することで、はじめてミョルニルは最強の武器となるのでした。

圧倒的な戦闘力で神々を守護する雷神トールは、次第に十二神の一人として認められるようになります。

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最強の戦神トールの偉業

さて、世界の終末には、神々と巨人族は激しい戦争を繰り広げる運命にあります。

トールはその戦いに備え、事前に敵の数を減らすために、巨人の世界ヨーツンヘイムへ何度も遠征を行いました。

倒した巨人は数知れず。

なかでも最強と言われる巨人フルングニルや、巨人の王スリュムまでも打ち破ります。

やがて来る終焉の戦いのその日まで、トールの活躍は続くのでした。

今夜のお話はいかがでしたか?

おやすみ前の神話シリーズでは、世界中の神話をお話しします。

今日も一日、お疲れさまでした。

それでは、良い夢を。

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