異次元過ぎる4つの性質!暗黒物質ダークマターの正体!(中編)

「暗黒物質など、宇宙に存在するはずがない」

かつては、ありえないものと考えられていたダークマター

目に見えないその物質は、実際には宇宙空間の多くを占めていました。

ダークマターは、地球上に存在するどの物質にも共通しない極めて特殊な性質を持ち、宇宙の誕生と構成を人知れず支えていたのでした。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、宇宙最大の謎・暗黒物質ダークマターの驚愕の性質と、宇宙空間におけるその働きをご紹介します。

ダークマター発見の歴史については、前編の記事でご紹介していますので、ぜひ先にチェックしてみてくださいね!

→ 『宇宙の最大の謎!暗黒物質ダークマターの正体!(前編)

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暗黒物質(ダークマター)の性質とは?

<目に見えない>

ダークマターはその名の通り、目に見えない暗黒の物質です。

人間の目は、カメラのような構造になっており、様々な色や形を“光の情報”として脳に取り込んでいます。

ダークマターは光の放出も吸収もしないため、そこに存在していても私たちには認識できないのです。

そればかりか、最新技術を用いた望遠鏡でさえも、その姿を捉えることができません。

観測技術の発展により、現代の望遠鏡は、巨大な惑星やガス、星の爆発やブラックホールなど、様々な天体の観測を可能にしています。

これは、電波や赤外線、紫外線、X線など、様々な周波の電磁波を観測することで、天体を映し出しているのです。

しかし、ダークマターに関しては、そうした電磁波すら一切発していないため、間接的に「視る」ことも叶わないのです。

<どんな物質でも瞬時にすり抜ける>

ダークマターの特殊な性質の中でも、最も不思議なものの一つに“どんな物質でも瞬時にすり抜ける”という特性があります。

わかりやすいように、地上におきかえて考えましょう。

仮にいま、通常宇宙に存在するダークマターが、あなたの真上にあって、さらにあなたに向かって進んでくるとします。

ダークマターはあなたの身体の中を通過し、地面から地中へと進み、そのまま地球の反対側まですり抜けて
宇宙へと出ていってしまう。

それも、たったの一瞬で。

ダークマターは、その他の物質とはほとんど衝突しないのです。

これは他に例のない、唯一無二の特徴です。

<質量を持つ>

目に見えず、さらに触れることもできない。

ところが不思議なことに、ダークマターは質量を持っています

銀河の質量は、そのほとんどをダークマターが占めていることもわかっています。

質量がありながら、まるで幽霊のようにいられるのはなぜでしょう。

ですから尚のこと、ダークマターはこれまでの法則が通用しない異例の物質なのです。

<理論によってのみ存在が示唆されている>

宇宙のどこにでも存在すると言われるダークマターは、目に見えず、また触れることもできないため、その粒子の存在は未だ確認されていません

幽霊のように実体の掴めない、謎の物質。

果たして本当に実在するのかと、まるで空想上のもののように思えてしまいます。

ところが、銀河の回転速度や、銀河団内での銀河の速度、そして重力レンズ現象による観測の結果、宇宙には確かにダークマターが存在するという、科学的な根拠は明らかになっています。

つまりダークマターとは、理論のみによってその存在を示唆される、現在においても「謎の物質」なのです。

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暗黒物質の正体がわかれば何がわかるのか?

このように、極めて特異な性質を持ち、未だ謎を多く秘めるダークマター。

今この瞬間にも、世界中で研究が進められています。

その正体の解明の先に、私たちは一体、何を知ることができるのでしょうか?

宇宙が形成される過程において、ダークマターは非常に重要な役割を持っていることが、昨今の研究でわかってきました。

すなわちダークマターの正体の解明は、宇宙誕生の謎の解明に直結するということです。

現在の宇宙の構造にはムラがあり、銀河や銀河団、そして何もない空間などが複雑に連なっています。

ちょうど石鹸を泡立ててできる、何層にも積み重なった泡のような構造です。

これは、宇宙誕生後、長い歴史において徐々に形成されたものです。

そもそも宇宙の歴史は、ビッグバンによって始まったとされています。

ビッグバン直後、宇宙は超高温・超高密の状態でした。

銀河や星が形成されるようになったのは、約38万年後、宇宙の温度が冷めてからのことでした。

対してダークマターは、ビッグバンが起こったその瞬間に生成されたと考えられています。

そして、物質が星や銀河になってゆく過程において、ダークマターはその骨組みや支柱として作用し、宇宙を現在の構造にまで作り上げたと言われています。

もしそうであれば、ダークマターはすなわち、宇宙を創造した部品の一つであるということです。

そして現在、宇宙を形作る泡の構造を支えているのも、ダークマターである可能性があるのです。

今後、ダークマターの正体が明らかになり、その構造や性質を知るまでに至れば、私たち人類にとっての大きな謎 “宇宙形成のメカニズム”の解明が大きく進展することとなります。

宇宙の秘密を紐解く鍵、謎の物質“ダークマター”。

いつか私たちに扉の先の世界を見せてくれる日は来るのでしょうか?

この世のものとは思えない、なんとも不思議な性質を持つダークマターのその正体とは、一体なんなのでしょう?

続く後編の動画では、ダークマターの正体に近づく最新の研究についてご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください!

→ 『最新研究で明らかに!?暗黒物質ダークマターの正体!(後編)

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