【北欧神話6】運命を司る三姉妹の女神たちの物語

この樹の下の湖から
知恵に溢れた三人の乙女がやってくる。

一人目はウルズ。
二人目はヴェルザンディ。二人は木片を刻む。
三人目はスクルド。

乙女たちは
人の子らに法を定め
人生を取り決め
運命を告げる。

『巫女の予言』20節

世界樹ユグドラシルの三本の根。

ひとつは、神々の世界アースガルズに根を伸ばす。

根の下の
最も美しい場所に湧きたるは
ウルズの泉

そのほとりに住まうは
三人の運命の女神。

ユグドラシルの生を保つ
尊きウルズの泉の水を
今日も汲んでは注いでいる。

こんばんは。えむちゃんです。

今宵は、運命を司る三姉妹の女神たちの物語をお話ししましょう。

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三人の姉妹

神々の世界アースガルズが
まだ平和と自由に満ちていた
その昔・・・

巨人の世界ヨーツンヘイムから
ある三人の姉妹がやってきた。

長女は、“編む者”。
その名を ウルズ
運命を織りなす乙女。

次女は、“育む者”。
その名を ヴェルザンディ
生命を育む乙女。

三女は、“取り立てる者”。
その名を スクルド
生きる上で必要な、全ての義務を課す乙女。

命の始まりから終わりまでを掌握する
運命の女神ノルンたち。

その頂点に君臨する三姉妹は
それぞれ、過去・現在・未来を司る。

三人の女神がやってきたその日、
神々の運命は決定された。

ウルズとヴェルザンディが
木片にルーン文字を刻み込むことで
神々の運命を定めてしまったのだ。

三人の女神は
しばしば大地へ降りて
海辺や河辺で戯れる。

そして、人々に未来の予言を施し
助言する。

アースガルズの神々も
三人の女神の助言を求め
ウルズの泉を訪れる。

知識に富んだ最高神オーディンさえも
泉のほとりの椅子に座り
彼女らの話に耳を傾ける。

運命の女神ノルン

人が生まれる時、
ノルンたちはやってくる。

彼女らは運命を紡ぐ女神。

善きノルンに運命を定められると
その者は幸福な人生を送る。

悪しきノルンに運命を定められると
その者は不幸な人生を送る。

ノルンの生まれはまちまちで
アース神族の者もいれば、
巨人族、妖精、小人族の者もいる。

さて、私たちの運命を
かつて定めたノルンとは
一体どんな御姿か。

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全ての運命を司る女神たち

人と神の運命を支配せし
運命の女神たち。

過去の出来事から教訓を説き
今を生きる尊さを諭し
未来に起こる災いを戒める。

ただひとつ。
神々の終末の運命だけは
決して語らない。

三人の女神がやってきたその日
神々の運命は決められた。

今夜のお話はいかがでしたか?

おやすみ前の神話シリーズでは、
世界中の神話をお話しします。

今日も一日、お疲れさまでした。
それでは、良い夢を。

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