地球の生物を滅亡させた!五回の大量絶滅の謎

長い長い時の中で、あらゆる生命と生態系を生み出した、地球。

しかし、歴史上度々起こる災厄に、生き物たちは何度も大量絶滅に見舞われました。

その被害はあらゆる生命に、例外なく襲いかかってきたのでした。

そして、繁栄した生き物たちは姿を消し、やがてまた新たな生物が誕生するのです。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、地球の歴史上発生した5回に及ぶ生物の大量絶滅についてご紹介します。

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生物の誕生と繁栄(カンブリア紀)

およそ5億4200万年前〜4億8830万年前。

古生代の最初に当たるカンブリア紀では、生物の多様化が爆発的におきました。(カンブリア爆発

この頃の地球は、ほぼすべてが海で覆われ、そこに三葉虫などの節足動物が繁栄し、原始的な魚類も誕生しました。

今日見られる動物の基本的な分類階級「門」は、このカンブリアの時代に出揃います。

ここから、地球の生物の繁栄が始まったのです。

地球を襲った五回の大量絶滅

カンブリア紀以降、生物の小規模な絶滅は、たびたび発生していたと考えられています。

対して、大量絶滅と言われる、それまで繁栄していた生物のほとんどが絶滅するような大規模なものは、過去5回発生しています。

これらをビッグファイブといいます。

<オルドビス紀末の大量絶滅(1回目)>

最初の大量絶滅は、約4億4400万年前のオルドビス紀末に起こりました。

オルドビス紀は、カンブリア紀の次の時代、約4億8830万年前〜4億4370万年前までの古生代前期にあたります。

オルドビス紀には、カンブリア紀と同様、生物の多様化が爆発的に進みました。

当時生息していた主な生物としては、オウムガイなどの軟体動物や、海サソリ、三葉虫、珊瑚礁などが挙げられます。

多くの生き物たちが繁栄した時代。

ところが、突然、20万年にも及ぶ大量絶滅が起きました。

これにより、海洋生物の属の45~50%が絶滅したと言われています。

この大量絶滅の原因は、未だ謎に包まれています。

2005年には、NASAとカンザス大学の研究者らによって、「恒星の超新星爆発により、宇宙で発生したガンマ線バーストが地球に直撃したためではないか?」という説が唱えられました。

続く2017年には、東北大学の研究チームが、オルドビス紀の地層から火山活動の痕跡を発見し、大規模な火山噴火が原因となった可能性も浮上しました。

<後期デボン紀(2回目)>

2回目の大量絶滅は、約3億6千万年前のデボン紀末に発生しました。

デボン紀とは、古生代中頃の約4億1600万年前〜3億5920万年前までを指します。

デボン紀は“魚類の時代”と呼ばれるほど、世界各地に魚類が繁栄した時代でした。

鋭い牙に、鎧のような分厚い体を持つ全長6mに達するものや、四肢を持ち肺呼吸をするもの、あらゆる姿の魚たちが水中を行き交いました。

そして後期デボン紀には、植物や節足動物、脊椎動物が陸上に繁栄することとなります。

しかし、ここで地球史上2度目の大量絶滅が起こります。

海に住む生物の属の47~57%が絶滅し、一説には、全生物の実に80%以上が絶滅したと言われています。

2021年、東北大学の発表により、このデボン紀の大量絶滅の原因は大規模火山噴火の可能性が高いことが最新の研究で明らかになりました。

当時の海を支配していた古代魚のほとんどは、絶滅に追いやられてしまいます。

しかし、サメなど、一部の生き残った魚類がのちに繁栄していくこととなります。

<ペルム紀末の大量絶滅(3回目)>

約2億5200万年前、ペルム紀末

地球史上最大の大量絶滅が発生します。

ペルム紀は、古生代の最後の時代、約2億9900万年前〜2億5100万年前にあたります。

地球史上3度目となるペルム紀末の大量絶滅では、なんと全体の95%の種が失われ、生態系を一変させました。

地上においては、当時生息していた爬虫類と哺乳類型爬虫類が、さらに海では、古生代型動物群が絶滅しました。

ペルム紀末の大量絶滅の原因は、シベリアの大規模火山噴火によるものだとされています。

2016年、東北大学の研究チームは、堆積岩を分析し、巨大火山活動の痕跡を発見しました。

この火山活動による影響は甚大でした。

陸では発生したCo2などの温室効果ガスにより、地球温暖化が進み、海では海水の循環が停滞。

酸素と熱が海底まで移動しなくなったことで、水中は極度の低酸素状態となったのです。

陸にも海にも逃げ場を失った生物たち。

当時の地球は、生き物にとって、まさに地獄のような環境だったことでしょう。

<三畳紀末の大量絶滅(4回目)>

ペルム紀が終わり、中生代三畳紀

地球のほぼ全ての大陸は一つに合体し、”パンゲア大陸“と呼ばれる巨大な大陸が形成されました。

三畳紀とは、約2億5190万年前〜2億130万年前にあたります。

ペルム紀末の大量絶滅は、生物のほとんどを滅亡に追いやりましたが、その後、生態系の空白を埋めるように新たな生物が次々と誕生しました。

地上では恐竜や翼竜、大型のワニ、そして最初の哺乳類が、海ではイクチオサウルスなどの魚竜が生まれました。

しかし、三畳紀末。

ここで4度目の大量絶滅が生物たちを襲います。

この大量絶滅では、少なくとも地上の生物の50%が絶滅したと言われています。

大量絶滅の原因としては、直径約8kmの巨大隕石が地球に衝突したとする説や、超大陸パンゲアの分裂を引き起こす程の大規模な火山活動が起きたとする説などが挙げられます。

三畳紀には、ワニの祖先の大型爬虫類が地上に君臨し、当時まだ小型だった恐竜を捕食していました。

しかし、この大量絶滅によって大型爬虫類が絶滅したことで、天敵のいなくなった恐竜たちが急速に大型化し、次の時代を支配することとなります。

<白亜紀末の大量絶滅(5回目)>

恐竜が地球の王者に君臨し、1億3500万年の年月が過ぎた頃、その栄華は突如として終焉を迎えます。

約6600万年前の白亜紀末、直径約10kmの隕石が地球を襲ったのです。

隕石が衝突すると、それにより発生した衝撃波と津波が生物を襲い、さらに成層圏にまで巻き上がったすすによって地球は覆われ、大規模な気候変動が起きました。

地球の温度は急激に低下し、干ばつも発生。

そしてついに、恐竜たちは絶滅しました。

この5回目の大量絶滅では、地球上の生物種のおよそ70%が絶滅したと言われています。

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現在の地球

長く続いた恐竜の時代が終わると、それまでひっそりと暮らしていた哺乳類たちが、次々と大型化・多様化しました。

そして年月が過ぎ、約700万年前に最初の人類が誕生。

1万1000年前〜9000年前に農耕を始め、以降数千年に渡り、目まぐるしく発展を遂げていきます。

そして、今私たちが生きる現代。

科学者たちは、6回目の大量絶滅が迫っていると警告しています。

その原因は、私たち人類の活動です。

人類は既に、地球に生きる数百種の生物を絶滅させ、さらに数万種類もの生物を絶滅寸前にまで追いやっているのです。

いつか、遠い未来の知的生命体も、私たちの生きた時代を研究するならば、

「6度目の大量絶滅は、どうやら自然災害によるものではない。

かつて栄えた人間によって、初めて人為的に生態系が破壊されたのだ。」

・・・などと言われない様、なんとか食い止めたいものですね。

地球の生物を滅ぼした5回の大量絶滅。

逆らうことのできない自然の力により、地球の生態系は一変してきました。

無論、私たち人類も例外ではなく、絶滅の脅威から逃れることはできません。

現代の発展した技術を以ってしても、常に大きなリスクと隣り合わせなのです。

人類滅亡のシナリオ、明日にも地球を破壊し尽くす身近な5つの災い“については、こちらの記事でご紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

→ 『人類滅亡のシナリオ、明日にも地球を破壊し尽くす身近な5つの災い

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