日本最強の式神たち!安倍晴明が使役した十二天将!

その神聖な存在は
人の心の善悪を見定める。

かつて陰陽師が使役したと伝わる式神

それらは
守護神であったり、悪神であったり、
妖怪であったり、人の霊魂であったりと
その性質から容姿まで様々です。

中でも、平安の世が生み出した
最強の陰陽師・安倍晴明操る式神は、
錚々たる顔触れが集められていました。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、陰陽師・安倍晴明が使役した
日本最強の式神・十二天将
をご紹介します。

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十二天将(じゅうにてんしょう)とは?

天才陰陽師・安倍晴明
呪術を使用する際に使役した
と伝わる最強の式神“十二天将”。

“十二天将”とは元々、
陰陽師の行う占術“六壬神課(りくじんしんか)”において、
象徴的な要素の一つでした。

六壬神課とは、約2000年前に
中国で成立した歴史ある占術のことで、
その技法は、日時を基準として
天地盤と呼ばれる天文と
干支を組み合わせるというものです。

占いの手順の中で、十二天将は
季節や五行などとともに
方角ごとに割り当てられます。

六壬神課がやがて日本に伝わり、
平安時代になると、安倍晴明を筆頭とする
陰陽師たちがこれを活用して
物の怪や病など目に見えない存在や
まだ見ぬ未知の事柄を明らかにしたとされています。

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安倍晴明が使役した!最強の式神・十二天将!

十二天将の存在については、
晴明が残したと伝わる
現存する日本最古の陰陽道の書物
占事略决(せんじりゃっけつ)』に触れられています。

順に見ていきましょう。

騰蛇(とうだ)

その凶将、名は騰蛇

驚きや恐怖、畏れを司る蛇神。

炎に身を包み、
霧の中を自在に飛びまわる。

十二支は「巳」に対応します。

一般には凶悪な神とされる一方で、
中国の古い文献には、
吉兆を象徴する神獣として記され、
三国志の曹操が詠んだ詩にも
このように登場します。

神龜雖壽、猶有竟時。

騰蛇乘霧、終為土灰。

老驥伏櫪、志在千里。

烈士暮年、壯心不已。

盈縮之期、不但在天。

養怡之福、可得永年。

幸甚至哉、歌以詠志。

『龜雖壽』

神亀は長寿だというが
それでもなお、終わる時が来る。

騰蛇は霧に乗るというが
ついには死して、土灰となる。

しかし、年老いた駿馬は
馬屋(うまや)に臥せっても

その志は
遥か千里にあり。

同様に、強い信念を持つ者は
晩年になっても
その勇ましい志を失わぬものだ。

人の寿命の長短は
ただ天のみが決めるわけではない。

自らが幸福を培うように心掛ければ
長寿を得ることができるのだ。

なんという幸せの極みか。

さあ、我が志を詩に乗せて
歌おうではないか。

龜雖壽

朱雀(すざく)

その凶将、名は朱雀

四方の方角を司る四神の一柱、
炎をまとう赤き神鳥。

南を守護する神獣で、
十二支は「午(うま)」に対応します。

日本において、古くから信じられる
四神相応(しじんそうおう)の思想。

これは古代中国から伝播したもので、
四体の神獣が東西南北の各方位を守護し、
都の守りを強固にする
という考え方です。

朱雀は南に住み、
大きな池に舞い降りるとされています。

そして、
繁栄と平和の時代にのみ現れ、
赤く美しい大きな翼で災厄や悪霊を祓い、
幸福を招くのです。

六合(りくごう)

その吉将、名は六合

平和と調和、そして秘め事を司る神。

十二支は「卯」に対応します。

六合は、詳細な情報が
現代まで残されておらず、
十二の式神の中で最も謎に包まれた存在です。

調和の象徴であることから、
結婚などの慶事をもたらすとされています。

勾陳(こうちん)

その凶将、名は勾陳

京を守護する四神の長、
黄金に輝く神獣。

愚鈍の象徴、争いや激しい怒りを司る。

また不動性を司る土公神でもあり、
土地や建物に関与するとされています。

十二支は「辰」に対応します。

勾陳は、
蛇の容姿で描かれることが多い一方で、
中国神話に伝わる龍と
同一視されることもあり、
金色に輝く黄竜(こうりゅう)や
雨を降らせる応竜(おうりゅう)が
それとされています。

青龍(せいりゅう)

その吉将、名は青龍

東を守護する四神の一柱、
力に満ちた蒼き龍。

富の象徴、金銭や慶事を司る神獣で、
東の方角に住み、河川に宿るとされています。

十二支は「寅」に対応します。

古代中国に伝わる文献(『爾雅翼』)によると、

馬の首に、蛇の尾、
さらに鹿の角を備え、
頭部は駝(らくだ)、項(うなじ)は蛇、
鱗は魚、爪は鷹、掌は虎、耳は牛である

と記されるように、その姿は
九つの鳥獣虫魚に類似した部分からなる
とされています。

貴人(きじん)

その吉将、名は貴人

方角神にして、十二天将の主神。

財産や豊穣、気品を象徴し、福徳を司る。

貴人の名は複数存在し、
時に天一神(てんいつじん)、
中神(なかがみ)、天乙(てんおつ)とも呼ばれます。

十二支は「丑」に対応します。

貴人の出自は、天女であるという説や
北極星の精であるという説など、
様々あります。

幸いをもたらす神である一方で、

貴人が天上から下界に降臨し
四方を巡るとされる44日の間
天一神遊行/てんいちじんゆぎょう)、
貴人のいる方へ行けば祟りがある
とも信じられ(方忌み)、

人々は邪魔にならないように
その方角を避けたといいます。

天后(てんこう)

その吉将、名は天后

またの名を媽祖天上聖母天妃

古代中国における
宇宙の万物を支配する最高神・天帝の后。

愛情、母性、女性にまつわる
全ての事象を象徴する優美なる女神。

航海や漁業を司り、
疫病などの不幸から人々を守護する。

十二支は「亥」に対応します。

天后は、約1000年前、
中国の福建省に生まれた
黙娘(もくじょう)”という女性が
神になったものだと言われています。

生まれた時から
ほとんど泣かなかったことから
“黙娘”と名付けられたその少女は
幼い時から賢く、仏教を熱心に信仰し
10歳で既に日夜念仏を唱えるほどでした。

やがて16歳の時に神通力を得ると
村人の病を治したり、
水難事故から人々を救ったりと
様々な奇跡を起こしました。

ところが28歳のあるとき、
父親が海で事故に遭い
帰らぬ人となりました。

悲しみに暮れた黙娘は山へと向かい、
やがて彼女の魂は山頂から天に上って
神となったとされています。

太陰(たいいん)

その吉将、名は太陰

姿は少女、その実は智慧に長ける老婆。

清廉純白、公正、正直を象徴する女神である一方、
知識や芸術のほか、隠し事を司る。

十二支は「酉」に対応します。

婚姻や出産といった、
女性に関連することは
嫉妬深い太陰の怒りに触れるため
在位する方角は避けるべきとされています。

玄武(げんぶ)

その凶将、名は玄武

北を守護する四神の一柱、
冥界と現世を往来する、漆黒の神亀。

富と無病息災を象徴する一方、
闇と邪悪、終わりと窃盗をも司る。

その姿、蛇の頭尾(頭尾)に四足を持ち、
背には亀の甲羅を備え、
或いは亀に蛇の巻きつく神獣。

十二支は「子」に対応します。

古代中国において
亀は“長寿と不死”の象徴、
蛇は“生殖と繁殖”の象徴でした。

この二つが合わさった玄武は、
不老長寿や子孫繁栄などをもたらすとされています。

また、北方の大きな山に住み、
冥界に通じて占いの信託を受けることができるという、
稀有な存在でもありました。

大裳(たいも)

その吉将、名は大裳

またの名を、太常(たいじょう)。

古代中国における
宇宙の万物を支配する最高神・
天帝に仕える文官。

忍耐や日常性、恒久不変を象徴し、
春夏秋冬の喜びを司る善の神。

十二支は「未」に対応します。

その姿は、冠と帯を着用し
きっちりと身なりを整えた
まさに文官らしい容姿であるとされています。

白虎(びゃっこ)

その凶将、名は白虎。

西を守護する四神の一柱、
数多の獣の頂に君臨する、白き聖獣。

刃物や性急、事故や喧嘩を象徴し、
勇猛、病そして喪を司る。

十二支は「申」に対応します。

白虎は西に住み、大道を駆け、
睨みを利かせて邪気を追い払い、
幸せを呼び込む存在です。

古代中国において、
虎は獣の王とされていました。

そして、虎が500年生き抜き、
霊力を得ることで
白虎になるといわれています。

天空(てんくう)

その凶将、名は天空

霧や黄砂を呼び寄せる
最も卑しい土の神。

その性質は両極端。

陽は自由、芸術の象徴。

陰は消耗、不実や損失。

中身のないものを象徴する。

十二支は「戌」に対応します。

天空の卑しさが
如何なるものかというのは、
安倍晴明の言葉が全てを表します。

その殆どは欺かれ、信用ならない凶将。

個性豊かな十二天将の中でも
このような評価ですから、
よっぽどなのでしょう。

以上、全十二体。

天才陰陽師・安倍晴明の使役する
式神の中でも、最強と謳われる十二天将

やはりその名にふさわしい
強者揃いでしたね。

さて、古く日本の国の中心にいた陰陽師は
安倍晴明のほかにも
その名の知れた者たちが活躍を遂げていました。

日本最強の6人の陰陽師については、
こちらの記事でご紹介していますので
ぜひチェックしてみてくださいね!

→ 『かつて日本に君臨した呪術師たち!最強の陰陽師6選!

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