古より伝わる幻獣の覇者!最強のドラゴン5選!

世界中で語り継がれる、ドラゴンの伝説。

翼を大きく振るわせて
悠然と空を飛ぶ姿は神々しく、
しかし所違えば一転、
邪悪な怪物として人々を恐怖に陥れる。

神話、伝記、英雄譚。

壮大な物語と共に描かれる
様々な姿のドラゴンたち。

幻想的な世界観を、どうぞあなたも味わって。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、伝説に伝わる古の幻獣!最強のドラゴン5選をご紹介します。

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黙示録の赤い竜 / 聖書

十本の角に、七つの頭。

それぞれの頭には冠をかぶり、
体は巨大で、炎のごとく赤い。

新約聖書・ヨハネの黙示録に記された、
黙示録の赤い竜”。

邪悪で凶暴、長い尻尾を降れば
天に輝く星々のうち三分の一を滅すとされています。

竜の正体は、堕天使の長サタン

人類の始祖アダムとイブの住むエデンの園で
蛇に化けてイブをそそのかし、
禁断の果実を食べさせた悪魔です。

かつて聖母がキリストを産む際、
天より赤い竜が現れ、
生まれた赤子を食べてしまおうとしました。

天界では大きな戦争が起き、
大天使ミカエルとその使いたちが
竜に立ち向かいます。

竜は戦いに敗れ、千年の間
底なしの深淵で鎖に繋がれますが、
やがて封印が解かれると
再び人々を陥れようとします。

しかし、再び滅ぼされ、硫黄と火の池の中、
永遠に苦しみ続けるのです。

アイトワラス / リトアニアの伝承

リトアニアの伝説に伝わる精霊、
アイトワラス(Aitvaras)

その容姿はさまざまに変わり、
屋内では黒猫や黒い雄鶏に、
屋外に出ると、空を飛ぶドラゴンや
燃える尻尾を持つ蛇の姿になります。

7歳の雄鶏の卵から稀に生まれると言われ、
アイトワラスの訪れた家は裕福になることから
“幸運をもたらすもの”と呼ばれていますが、
そのやり方は少々複雑。

アイトワラスから与えられるお金や食料などは
湧いて出るわけではありません。

近所の家から盗んでくるのです。

盗みの対価として要求されるのは
当時には贅沢品であった、
鶏の卵のオムレツのみ。

ラッキーと捉えるか、厄介と捉えるか。

アイトワラスの存在が
歴史上初めて登場するのは、1547年頃。

それ以降、不自然な経緯で
富を築いた家の裏には、
アイトワラスが関わっていると記録されています。

一度家に入ってしまうと、
簡単には追い出せないとされるアイトワラス。

しかし、望んで呼び出したいという場合には、
悪魔と取引し、人間の魂を差し出すことで
買い取ることもできるそうです。

覚悟のある方はぜひどうぞ。

ニーズヘッグ / 北欧神話

世界樹ユグドラシルの根をむさぼる
北欧神話の”黒きドラゴン”、ニーズヘッグ

その名の意味は、”怒りに燃えうずくまる者“。

九つの世界を内包する世界樹ユグドラシルには
3本の根があり、そのうちの一本は地下深く
氷の世界・ニヴルヘイムに伸びています。

根の先には、“叫ぶ大釜“を意味する
フヴェルゲルミルの泉が湧き、

泉には無数の蛇と、
そして巨大な竜・ニーズヘッグが棲んでいます。

ニーズヘッグは邪悪ゆえ
泉に投げ込まれた人間の死体の血を啜り、
ユグドラシルを枯らしてしまおうと根を齧ります。

それでもユグドラシルが枯れないのは、
もう一本の根の先で
運命の三女神ノルンたちが
神聖な泉の水を汲んでは日々癒しているからです。

ニーズヘッグと敵対するは、
ユグドラシルの樹の上に棲む大鷲フレースヴェルグ

二体の仲介をする栗鼠ラタトスク
互いへの罵倒を伝言し、喧嘩をさらに煽ります。

やがて終末の日ラグナロクが訪れると
滅びゆく世界と共に、多くの神々や巨人、
太陽と月までもが消滅しますが、

ニーズヘッグは生き残り、
その漆黒の翼に死者を乗せ
大空を飛んでゆくのです。

世界樹ユグドラシルの物語は、
こちらの記事で詳しくご紹介していますので
あわせてぜひご覧ください。

ア・ドライグ・ゴッホ / ウェールズの伝説

ウェールズの伝承に伝わる”赤い竜”、
ア・ドライグ・ゴッホ

その姿はウェールズの国旗に大きく描かれています。

かつて古代ローマ軍の支配が消えて
無法地帯となったブリテン島では、
先住民ブリトン人と、渡来したサクソン人による戦いが勃発。

サクソン人を率いて侵略を目論む
ヴォーティガン王は魔術師たちの助言を受け、
ウェールズの山地に強固な塔を築くことにしました。

ところが、建設が始まると
奇妙なことが起こります。

建物の基盤を作っても、
翌朝には地中に沈んでしまうのです。

魔術師たちは生贄を捧げるのが良いとして、
生まれつき父親のいない子供を探すよう
王に助言します。

そうして生贄に選ばれた一人の少年、
マーリンは王に向かってこう言いました。

「王様の魔術師たちは嘘がお上手ですね。

塔が沈むのは、この地下にある池のせい。

池の中には空洞があり、
そこに一体何が眠っているのか、
王様はご存知ですか。」

ヴォーティガンは半信半疑で地面を掘らせると
少年の言う通り、地下には池が見つかり、
池の水を抜いた中には空洞の石が二つ並んでいました。

そしてそれぞれに、
白と赤の二頭の竜が眠っていたのです。

竜たちは互いの姿を見るや否や、
激しく争い始めました。

驚くヴォーティガンたちに、
マーリンは告げました。

「赤い竜ア・ドライグ・ゴッホは、
ブリトン人の象徴。

白い竜グウィバーは、サクソン人の象徴。

二つの民族の争いは
コーンウォールの地より猪が現れ、
白い竜を踏み潰し終結するだろう」

そして予言は的中し、
戦地に現れたアーサー王によって
サクソン人は敗北。

ヴォーティガンは反乱軍によって討たれ、
その後、赤い竜はウェールズの守護神として崇拝されたのでした。

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清姫 / 安珍清姫伝説

紀伊国、道成寺(どうじょうじ)に伝わる
愛憎の蛇体、清姫(きよひめ)。

舞台は1000年以上昔、
醍醐天皇の時代。

安珍という名の一人の修行僧が、
熊野の地に参拝にやってきました。

安珍はたいそうな美男子で、
旅の途中に宿で出会った娘、清姫は
すっかり一目惚れ。

その晩、清姫に迫られた安珍は困り果て、
「参拝の帰りに必ず立ち寄るから」
と言い残して、翌朝、宿を後にしました。

その言葉を信じて、帰りを待つ清姫。

しかし、待てど暮らせど
彼は戻って来ません。

それもそのはず。

安珍は参拝後、
さっさと帰ってしまったのです。

騙されたことに気づいた清姫は
裸足で後を追いかけました。

そうしてやっと追いつきますが、
安珍は別人だと言い張るばかり、
隙を見て逃げ出す始末。

清姫の怒りは頂点に達し、
ついには龍と蛇を併せた
巨大な蛇体の姿へと変貌するのです。

安珍はやっとのことで道成寺に逃げ込んで、
釣鐘の中に隠れました。

龍蛇となった清姫は
鐘に巻きつくや火を吹いて、
安珍は鐘の中、焼き殺されてしまいます。

そしてその後は清姫も、龍蛇の姿のまま入水。

やがて蛇へと転生した二人は
道成寺の住職の元に現れ、
住職は法華経を唱えて成仏させたのでした。

現在も道成寺には釣鐘がなく、
この物語は、寺の説法として語り継がれています。

ところで、二人はなぜ
また人間に生まれ変わらなかったのでしょう。

仏教において、私たちの転生先というのは
六つの道に分かれています。

天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道。

あまねく生き物の魂はこの六道輪廻の中、
転生を繰り返すのです。

そしてその行き先を決めるのは、
地獄に待つ十の裁判官たち。

あなたの次の転生先も、清姫たちと同じ
蛇であるかもわかりません。

死者の罪を裁く地獄の十王については、
こちらの記事でご紹介していますので、
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

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