神をも超越する太古の存在!世界を滅ぼす最強の怪物5選!

なぜ世界は一様にして滅びゆくのか?

各地の神話に伝わる終末の時。

人智を越える怪物たちが
深淵から顔を出す。

地を震わす咆哮に、為す術もなく戦慄する。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、世界を滅亡へと導く最強の怪物5選
をご紹介します。

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テュポーン / ギリシャ神話

その巨人の誕生に、
オリュンポスの全ての神々は恐れ慄いた。

ギリシャ神話の最高神
ゼウスが敗れた唯一の敵、テュポーン

かつてゼウスは、太古の神々を討ち倒し、
王の座を奪いました。

その際、敵対する巨人族“ティタン神族”を
奈落の底に封じ込めてしまいます。

これに激怒したのは、ティタン神族の生みの親
大地の女神ガイア

彼女はゼウスの祖母でもありましたが、
可哀想な子供たちを救い出そうと
山のように大きな巨人“ギガス族”の軍団を
孫のゼウスの元に送り込みました。

しかし、巨人たちはまたもや敗北。

怒り狂うガイアは、とうとう最終手段として
史上最強の巨人を生み出すのです。

ギリシャ神話最大の怪物、テュポーン
大変な巨体を持ち、頭は天の星々をかすめ、
腕を伸ばせば、世界の東西の果てにまで達するほどでした。

人間のような上半身、百のドラゴンの頭。

腰より下は、巨大な毒蛇のような形をし、
目は火のごとく赤々と燃え、
口からは灼熱の炎を放ちます。

テュポーンが進撃すると、あまりの恐ろしさに
ゼウス率いるオリュンポスの神々は
たちまち動物の姿となって
エジプトまで一散に逃げてしまいました。

一人対抗するゼウスは、
宇宙を焼き尽くすほどの威力を持つ雷霆と、

そして、世界で最も硬い金属で作られた
アダマスの鎌で激しく応戦します。

ゼウスの雷とテュポーンの炎がぶつかり合う瞬間、
大地は灼熱の地獄と化し、
天と海は激しく煮えたぎりました。

しかしながら、最強の巨人を前に
ゼウスははじめて敗北し、
洞窟に閉じ込められてしまいます。

その後、オリュンポスの神々によって
洞窟から救い出されたゼウスは
再びテュポーンに戦いを挑みました。

一方のテュポーンは、
今一度の勝利を確実なものにしようと

運命の女神たちを脅して奪い取った
どんな願いも叶えるという
勝利の果実”を食べて、戦地に臨みました。

ところが、これが却って仇となるのです。

女神たちが差し出したのは、偽物の果実。

実際は、望み叶わず力を失う“無常の果実”でした。

敗北したテュポーンは、逃げる最中、
巨大なエトナ火山を見つけ、ゼウスに投げつけようとします。

しかし、抵抗虚しく、最後には
火山の中に封印されてしまうのです。

火山が噴火を起こす時。

それはテュポーンが暴れもがいているのだと
伝えられています。

炎の巨人スルト / 北欧神話

その名の表すは、”黒き者”。

北欧神話に伝わる滅びの怪物。

巨人スルトは、太陽のごとく光り輝く
炎の剣を振りかざし、
世界の全てを焼き尽くす。

それはまだ、太陽も月も、天も大地も、
神々すらも生まれていない、原初の時代。

全てが混沌であった世界は、
ふたつの両極の地に分かれていました。

北は極寒の国、ニヴルヘイム

南は灼熱の国、ムスペルヘイム

何もない世界で、火花飛び散るその国を
巨人スルトはただ一人、守っていました。

一体いつ、どこから来たのか?

どれほどの時間、生きてきたのか?

誰も知ることはありません。

やがて原初の巨人ユミルが
霜の巨人たちを産み、
氷の中から最初の神が生まれ、

そして、ユミルの体から天地が創造されて
神々が世界を統べる時代が到来しました。

繰り返される戦争。

神々と対立する巨人たち。

しかしスルトは、強大な力を持っていながら
彼らに一切の関与をせず、

遠く南の果ての地で、炎の剣を握りしめ、
不気味なほどに静観を貫いていました。

炎の巨人が、ついに動く時。

それは世界が終末を迎える、ラグナロクの日。

ムスペルヘイムに住まう巨人の一族を率いて
火炎に身を包むスルトは神々の国を襲撃します。

一人の生存も許さぬと
燃え盛る炎の剣は神を次々と切り裂き、
そうして全てを焼き払って、世界を滅ぼすのです。

その後、スルトがどうなったか。

これもまた、誰も知ることはありません。

クジャタ / イスラム神話

イスラムの伝承に伝わる世界牛クジャタ

神の創りし巨大な雄牛は、
美しい宝石の岩盤を支える。

かつて神は、荒ぶる大地を
一人の天使に背負わせました。

しかし、大地は定まらず、
天使の足元に、きらきらと光り輝くルビー
あるいは緑色の宝石の岩盤を置いてやりました。

それでも大地はまだ定まらないので、
今度は岩盤を支えるために
巨大な牛を下に置き、

さらにその下に巨大な魚を置いたことで
世界はようやく安定したといいます。

世界牛クジャタ、正式名をクユーサー

その姿は文献により異なりますが、一説には
目、耳、鼻、口、歯、足のそれぞれを
4万ずつ持つとされます。

クジャタは一日に一度、
あるいは二度の呼吸をします。

それにより海の潮の満ち引きを生み出し、

息を吸うことで、海面は下がり、
息を吐くことで、海面は上がる

と伝えられています。

バハムート / イスラム神話

世界牛クジャタを背に乗せ全世界を支えるは
大魚、バハムート

規格外の巨体ゆえ、我々には
姿を目に捉えることも、想像さえも叶わない。

アラビアの宇宙誌によると、バハムートは
すべての海を鼻孔に入れたとしてもなお
きわめて微細なものに留まるほどに大きく、

そんな巨体を支えているのは
一面の水であると記しています。

水の下には暗闇が広がり、
そのさらに奥のことは誰も知りません。

クジャタとバハムートは
大地から海へと流れ出る水を飲むことで
海の量を一定に保っています。

しかし、やがて満腹になると
二体は途端に暴れ出し、世界では大地震が発生。

すべては終焉へと向かうのです。

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ティアマト / メソポタミア神話

メソポタミア神話の悲劇。

慈悲深き神々の母。

異形の女神、ティアマト

それはまだ、天も大地も名前を持たない
始まりの時代。

穏やかな世界で、
原初の海の女神ティアマトは

淡水の神アプスーと交ざり合い、
あまねくたくさんの神々を生み出しました。

生まれた神々もまた子供たちを産み、
続々と増える新しい世代の神々。

ところが彼らは非常に騒がしく、
アプスーとティアマトは
次第に不満を募らせていきました。

「昼は休めず、夜も眠れぬ。
一層のこと、みなを滅ぼしてしまおう」

そう提案する夫を、
寛大なティアマトはなだめます。

「彼らは私たちが創り出した
愛すべき子供たちです。

つらくても我慢して、
優しくしてあげましょう」

しかし、限界に達したアプスーは
恐ろしい計画を実行しようとします。

これを密かに知ったのは、
二人の孫、知恵と魔法の神エア

先回りしたエアは、魔法でアプスーを眠らせ、
殺してしまうのです。

夫を亡くしたティアマトは
それでもなお、彼らを許し
咎めることをしませんでした。

新しい神々たちの騒ぎは
その後も続きます。

ついには、エアがアプスーの亡骸の上に
自らの神殿を建て、

さらにエアの息子、
のちに最高神となるマルドゥク

4つの風をおもちゃにして暴れ回るので、
ティアマトの体は掻き乱されてしまいます。

我慢の限界を迎えた一部の神々は
ティアマトを説得し、
新しい神々との戦争が始まりました。

ティアマトは、
11体もの強力な怪物たちを生み出し戦いに臨み、
新しい神々たちは恐怖に震えました。

しかし、マルドゥクとの決闘の際、
あの4つの風によって動きを封じられ、

放たれた暴風を飲み込んだことで
口は大きく開かれ、

そこに矢を打たれたために、
命を落としてしまうのです。

愛する子供たちに殺されたティアマトは、
死後もなお頭を砕かれ、血を抜き取られ、

さらに体は二つに裂かれて、
新たな神々の天地創造に使われたのでした。

哀しき地母神、ティアマト。

その姿は未だ定まらず、ただし
人間の形はしていないといいます。

有力な説では、
水や動物の姿であるとされますが、
その巨大さに「大洪水を引き起こす竜」のようだと言い表され、

かつてはドラゴンそのものだと考えられていたこともありました。

現在では、
ドラゴンの説は否定されていますが、

神と怪物、神性と脅威が
紙一重で両立する存在として
実は近しいのかもしれません。

古に伝わる幻獣、
最強のドラゴン5選
については
こちらの記事でご紹介していますので、
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

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