地球史上、最も退屈な10億年!地球の失われた物語の真相!

あなたは、地球史上最も退屈と言われる時代をご存知ですか?

それは遥か古代、18億年前から続いた
10億年間のこと。

時にマグマに覆われ、時に氷に閉ざされて
激しく変化しつづけてきた地球は
突如として活動を停止したのです。

静まり返る世界。

明白な変化の見られない、静寂の時代。

退屈な10億年は、しかし、果たして本当に
何も起きていなかったのでしょうか?

こんにちは。えむちゃんです。
今回は、地球の失われた物語
“最も退屈な10億年“の真相
をご紹介します。

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地球の歴史

<46億年前>

46億年前。

生まれたばかりの地球は
高温高圧の非常に過酷な環境でした。

地表の温度が下がり、地殻ができると
今度はあちこちで火山が噴火を繰り返します。

<40億年前>

そうして6億年という年月が過ぎた40億年前、
はじめて原始の海ができ、
そこから最古の生命が生まれるのです。

<32億年前>

バクテリアなどが次々と出現する中、
32億年前ごろになると
ついに光合成をする生物が誕生。

それにより、海の中では
酸素が供給され始めました。

<24億年前>

しかし24億年前、現在知られている中で
最古の氷河期(ヒューロニアン氷期)に突入。

地球全体は氷に閉ざされ、
多くの生物が大量に絶滅します。

<21億年前>

3億年ほどにもわたる長い氷河期が終わると、
大気中には一斉に酸素が増え始め、
オゾン層が形成されました。

オゾン層は
有害な紫外線から生物を守りますが、

一方で、増えた酸素は
当時の生物にとっては猛毒でした。

そこで、細胞の中に核を持ち、
その中にDNAを閉じ込めることで
酸素を克服した、真核生物が出現するのです。

菌類、植物、動物、そして私たち人は
みな真核生物にあたります。

<19億年前>

最初の超大陸“ヌーナ大陸”が誕生したのは
およそ19億年前のこと。

地球はまさに激動の時代の真っ只中でした。

<18億年前>

ところが、翌1億年後、
これまでの環境変化は嘘のように
ピタリと止まります。

静寂の時間は、10億年もの間続きました。

静まり返る世界で、
一体何が起きていたのでしょう?

最も退屈な10億年

地球史上、最も退屈な10億”と呼ばれた
奇妙な時代。

比較的一定に保たれる気候。

化石の出現もほとんど無い。

この空虚な期間は、
しかし水面下ではじりじりと
新たな世界の幕開けに迫る時代でもあったのです。

環境の機微を捉えるヒントは、
地質、海洋、大気、そして生物進化。

この四つの側面から、
当時地球で何が起きていたかを
紐解いていきましょう。

地質

地球史上、最も変化がなかった
18億年前〜8億年前にかけての
“最も退屈な時代“は、

化石に基づく地質時代の区分における
原生代の中期にあたります。

この間、地上には一切の生命がなく、
広大な大地には
ただ岩石だけが広がっていたと考えられています。

しかしその下で、大陸自体は
ゆっくりと変化を遂げていました。

巨大な超大陸ヌーナ大陸は
分裂と衝突を繰り返し、

一説には、3億年経った時点で
コロンビア大陸が、

さらに4億年かけて
ロディニア大陸と呼ばれる超大陸が
それぞれ形成されたと言われています。

海洋

では、大陸を囲む海では
何が起きていたのでしょうか。

当時の海は、栄養が著しく枯渇していました。

生物たちの活動にとって
非常に重要な栄養素である
リン酸塩の濃度が極めて低かったことが
日米の合同研究チームの調査により明らかとなったのです。

これにより海に住むバクテリアなどの光合成が
抑えられていたと推察され、

生成される酸素は現代と比較して
わずか25%程度にしかならなかった
と考えられています。

このことが大気に大きく影響することは
言うまでもありません。

大気

当時の地球の大気中の酸素濃度は
現在の数%にも及ばず、
10億年間、顕著な酸素の増加も見られませんでした。

大気のほとんどを占めるのは、
二酸化炭素と窒素。

酸素を克服した真核生物が出現してまもなく
“退屈な時代”を迎えた地球は酸欠となり、
生物たちは長く耐え忍ぶこととなるのです。

生物進化

化石がほとんど出土しないこの時代。

栄養も酸素もない厳しい環境下で
生物進化はほとんどなかったとされますが、

実はひそかに、
真核単細胞生物が多様化していた
と考えられています。

退屈な時代より以前の
約21億年前の地層から発見された
最古の真核生物の化石(グリパニア)。

この時点で
単細胞であった体は多細胞に進化し、
新たな形質を獲得するとともに
体積は100万倍にまで増加しました。

これはのちに真核生物の生態系を
格段に広げることとなりました。

また、「捕食」という
新たなエネルギー獲得の手段を得たことで

地球史上初めて、“捕食する側”と“される側”
という概念が生まれたのです。

そして、革新的といえる生物進化がもう一つ。

それは退屈な10億年の真っ只中、
およそ15億年前に起きた真核藻類の出現です。

真核生物が
光合成を行う原核生物(シアノバクテリア)を体内に取り込み、
葉緑体として共生させることで
自らも光合成を行う能力を得たのです。

なぜこのようなことが起きたのか、
現時点でも未解明の
突然にして異次元の進化。

これまで何かを捕食することで
エネルギーを獲得していたのに対し、

光と水と二酸化炭素さえあれば、
エネルギーを自ら作り出せるようになりました。

「一次植物」と呼ばれるそれらの植物は
葉緑体を保持したまま、その後も進化していきました。

その後の地球の姿

さて、ここまでを知って、
「退屈な10億年」は
なお“退屈”なものでしょうか?

目に見えた変化はなくとも、
未来の今を生きる私たちにとって
とても大切なことが起きた
不可欠な時間であったようには思いませんか?

やがて退屈な時間は過ぎ去り、
地球は再び激動の時代へと突入します。

準備期間を経た世界は、
一体どんな変化を見せてくれるのでしょう。

退屈な10億年が明けて
5000万年ほど経った頃。

7億5千万年前の地球では
大規模な火山活動が発生。

これにより、新たにプレートが形成され、
巨大化した超大陸はいくつかの小さな大陸へと分裂しました。

その後また氷河期に入り、
やがて氷が溶けると
地球の酸素濃度は再び上昇(第二次大酸化事変)。

同時に、生物も新たな進化を遂げます。

多細胞生物の爆発的進化です(エディアカラ生物群)。

この起爆剤はまさしく、

真核藻類が増加して多様化が進み、
あらゆる進化を遂げたことで

多細胞生物の出現を可能にした
“退屈な10億年“であると言えるでしょう。

その後も続いて、“カンブリア爆発”と呼ばれる
生物の爆発的な多様化が起こり、

これにより現在知られている動物の
全ての門が突如として出現したのです。

教科書に載ることがない、空虚な時間。

全てが止まっていると思われたその水面下で、
生物たちは止まることなく

ただ静かに、時が来るのを待っていたのでした。

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残る謎

ところで、この”最も退屈な10億年”には
未だ多くの謎が残っています。

なぜ、これほど長い期間、気候が安定していのか?

なぜ、海において、リンが著しく枯渇していたのか?

あらゆる推測があるものの、
理由は明確になっていません。

地層に刻まれた、遥か古代の地球の歴史。

それらを読み解くことで、謎は少しずつ、
神秘のベールを剥がしていきます。

そうして今後も新たな発見が、
世界を震撼させるのです。

そう、近年、5500万年前の地層に見つかった
とある文明の痕跡もまた然り。

人類以前に超古代文明が存在した?
地層に残る“奇妙な痕跡”
については、
こちらの記事で詳しくご紹介していますので、
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!

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