古代からの挑戦状!錬金術の真理を秘めしエメラルド・タブレットの全文
エメラルド・タブレット。
それは12の錬金術の奥義を刻んだ
今はなき古代の石板。
紀元前に生きたと伝わる
錬金術師の始祖が綴った、短くも難解な文章。
そこに隠されたこの世の真理を
さて、あなたは読み解くことができるか?
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、古代からの挑戦状!
錬金術の真理を秘めしエメラルド・タブレットの全文をご紹介します。
“錬金術の祖”と失われた文書
金の生成を試み始まった学問、錬金術。
かつてエジプトに存在した
古代の知恵と叡智の殿堂、アレクサンドリア図書館。
各地から集められた膨大な文書。
その所蔵数は数万から数十万もあったと言われています。
古代図書館の中でも最大規模かつ
最重要拠点であったこの場所は、
後の紀元前48年ごろ、時のローマ将軍
ユリウス・カエサルが敵陣に放った
火炎の矢に巻き込まれ、はからずも消失してしまうのです。
失われた大量の書物の中には、
のちの世の天才たちが
死に物狂いで追い求めることとなる
錬金術にまつわる文書も含まれていました。
“錬金術の祖”、ヘルメス・トリスメギストス。
全42巻あったとされる彼の著作は
現在は一部しか残されておらず、
それらは神と言われたヘルメスの知識の結晶、
錬金術の真理に即して書かれたものでした。
エメラルド・タブレットにまつわる伝説
ヘルメスはまた、
錬金術の基本にして全てと言われる
12の奥義を編み出しました。
そしてそれを紐解く言葉を
とある石碑に刻んだといいます。
かつて存在したと伝わる
エメラルドの石碑、“エメラルド・タブレット”。
碑文は短くまとめられ、
それゆえ非常に難解なものでした。
伝説には、ヘルメスの死後、
石碑は古代エジプト・ギザの大ピラミッドの
内部に置かれた彼の墓に安置され、
それをのちに古代ギリシャの王・
アレクサンドロス大王が発見したとされています。
石碑は現存しないものの、
そこに刻まれた難解な文章は脈々と受け継がれ、
錬金術の発祥地・古代ギリシャやエジプトから
アラビア語、ラテン語、英語と翻訳されて
各国へと広まりました。
やがて錬金術が大流行した中世ヨーロッパでは
あらゆる偉大な研究者たちが
エメラルド・タブレットの解読に挑むこととなるのです。
たとえば、古代エジプト研究者の
最も優れた一人に数えられ、
また、世界最大の奇書
『ヴォイニッチ手稿』の持ち主でもあった
イエズス会司教アタナシウス・キルヒャー(1602年〜1680年)は
ヨーロッパで広く知られる翻訳文を手掛けました。
また、誰もが知る天才科学者
アイザック・ニュートン(1643年〜1727年)も
錬金術が禁じられた時代に
密かに英語への翻訳をし、
その解読に勤しんだ一人でした。
古代から遥か時を経て、
今もなお錬金術の真理は明確に解き明かされていません。
いえ、誰かは辿り着いたのかも知れませんが、
記録が残っていないのです。
これよりご紹介するのは、難解な碑文の全て。
錬金術師の始祖が残した、神秘の古代技術を
さてあなたは解読することができるでしょうか。
エメラルド・タブレットの全文
これは嘘偽りのない、
確かなる真実である。
唯一つの奇跡のためには、
下のものは上のものの如し、
上のものは下のものの如し。
万象は唯一つの瞑想に起因することと等しく、
万象は唯一つの適応により生じた。
その父なるは太陽である、
その母なるは月である、
それを子宮に運び入れるは風である、
その乳母なるは大地である。
遍く世界の遍く完全の父はここにあり。
大地に向ければその力は成就する。
土と火を、
細かなものと大きなものを、
丹念に、巧みに分かつことだ。
それは地から天に昇り、
再び地に降り、
上のものと下のものの力を得よう。
汝はこの世の栄光を享受し、
暗闇は汝のもとを去るであろう。
その力はあらゆるものを凌ぐ。
あらゆる緻密なものを制し、
あらゆる硬質なものを貫く。
かくてこの世は創造された。
偉大なる適応はこうして成される、
その方法は述べた通り。
然れば 我は
この世の哲学の三つを備えし
“三倍偉大なるヘルメス”、
ヘルメス・トリスメギストス。
太陽の運行につき
我の語りは完遂した。
※えむちゃんねる訳
古代の賢人に聞く錬金術の真相。
いかがでしたか?
さて、生まれたばかりの錬金術は
かつては化学の先駆けとして実践的な学問でした。
しかし、時代は移ろい、
やがては怪しげなものとなって
魔術の如き学問は禁じられてしまうのです。
賢者の石・エリクサー・人造人間。
命懸けの研究のすえに
天才たちは、一体何を見たのでしょうか?
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