エジプト神話の死後の世界!太陽神ラーと巡る冥土の旅

https://www.youtube.com/watch?v=CRpg-UVSm4U

古代エジプト人は、太陽を特別崇拝した。

朝に昇り、夕暮れと共に沈んでゆく。

その様を死と再生と捉え、
太陽とは不死の象徴とされた。

最高神ラーは、
世界の創造神にして太陽の化身。

朝日、日中、そして夜と
その姿を変えながら、

ラーは空飛ぶ船に乗り
日毎、あの世とこの世を行き来する。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、エジプト神話の死後の世界!
太陽神ラーと巡る冥土の旅
をご紹介します。

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太陽神ラーの旅路

日の出

日の出の刻、
太陽神ラーは東の方角に現れる。

空全体を体とする天空の女神ヌトの腿のあたりから
ラーはまばゆい光を放って地上に顔を出す。

日の出のラーは男の体に、
頭はタマオシコガネの姿。

これはフンコロガシのごとく
丸い太陽を押し運ぶことに由来する。

その姿の名をケプリという。

ラーはこれから1日かけて
空と地底の旅に出る。

太陽の出る明るい昼には
この世の上空を飛び、

暗い夜には地底に潜り、
死者の国を渡る。

そうして太陽は世界を旅して、
1日が過ぎてゆく。

ラーを運ぶは太陽の船

その名を、昼にはマンデト
夜にはメセクテトという。

金やあらゆる宝石が
美しく装飾された絢爛豪華な船。

書記や従者を連れ立って
天空の神ホルスが舵を取り、

2匹の魚(アブツアント)が付き従って
船の航路を見守る中、船は空を横断する。

正午、ラーは天の頂にいる。

昼のラーは男の体に、頭はハヤブサの姿。

その目は敵を焼き払う
強い光を放つ。

視線の先には、東西に空を支える
巨大な双子の山(マヌバクフ)が見える。

片山の頂に棲む大蛇を横目に
太陽の船は空を進む。

夕暮れ

夕暮れ時、ラーは地平線にいる。

辿り着く先は「第一の門」。

潜った先にあるのは冥界。

地下世界の死者の国ドゥアトが待っている。

第一の門をくぐり、
夜を迎えた太陽神は老いて死ぬ。

夜のラーは男の体に、頭は牡羊の姿。

猿たちの悲痛な鳴き声が響く中、
悲しむ神々に船を引かれて
ラーの亡骸は死者の国を進む。

船は地底を通るナイル川を行く。

つけ狙うは、最大の敵。

邪悪なる闇と混沌の大蛇アペプ
時にラーを襲っては日食を繰り返す。

アペプからラーを守護するのは
12の夜の女神たち。

あるいはラーは死してなお活動し
アペプと戦いを繰り広げるとされる。

女神たちは
これから来る12の門を
ラーが通過できるよう
代わる代わる導く。

1日を二分する昼と夜、
その時間を12時間と数えたことが
夜の12の門の由来である。

冥界の十二の門

第一の門

ラーの遺体は神々に守られながら
1時間ごと門を通過する。

暗闇の中、船は川べりの蛇たちが吐く
毒を含んだ炎の灯りを頼りに進み、
第一の門をくぐる。

第二の門

つづく第二の門は
上から蛇が監視して
その名を知らねば通れない。

第二の女神がその名を叫び、
門は難なく開かれる。

その先に広がるのは穏やかなる国。

ラーの息子たちと言われる
エジプト王ファラオの魂や
豊穣の神々などが住まう場所。

第三の門

第三の門を抜けた先には
偉大なる冥界の神オシリスが待ち受ける。

その姿はミイラの体に王冠を被る男の姿。

オシリスは死者の魂の罪を裁き
その心臓と「真実の羽根」を天秤にかけて審判する。

心臓には人の知性が宿るもの。

悪事をすれば重くなる。

審判の間、ホルスの4人の息子たちは
ほかの臓器を守護している。

肺、肝臓、胃、腸。

いつか復活する時のために
肉体は欠かせない。

善人は楽園アアルで再生し、
知恵の神トトのもと幸せになれる。

悪人は第二の死を迎え、
ワニ頭の怪物アメミト
心臓を貪り喰われてしまう。

第四の門

第四の門の先には荒地が広がる。

地に一面の蛇の群れ。

なかには、人の形をしたり
空を飛ぶような怪物もいる。

気にせず進むと、
やがてナイル川は途絶えて
風のうなる深い谷となる。

船は輝く蛇の姿となって
ラーの一行を守り進む。

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第五の門

第五の門の先に待つのは
反逆者の地獄。

待ち構えるは、
スフィンクス冥界の神セケル

その姿はミイラの体にハヤブサの頭。

罪人たちを灼熱の湖に投げ入れて
辺りは悲痛な声が轟く。

さらに進んだ先にあるのは、闇の世界。

そこにはラーの日の出の姿、
タマオシコガネの頭を持つケプリが
船の到着を待っていた。

ケプリはラーに寄り添って
その命を吹き込むと、

やがて朝の光が見え始め、
夜は次第に明けてゆく。

第六の門

第六の門の先には、祝福が待つ。

ナイル川が再び戻り、
川を進む太陽の船。

神々は喜ばしくラーに敬意を表している。

ケプリはラーの元を離れ
飛び立っていった。

第七の門

第七の門の先には危険が迫る。

邪悪なる大蛇、アペプが住み着き
ラーを再び狙ってくる。

豊穣の女神イシスの魔法と
二人の女神の攻撃で
不死身のアペプを弱らせながら
船は進んでゆく。

第八の門

第八の門の先には、死せる神々の魂が待つ。

彼らの叫びはあまりに遠く
なにも聞き取ることができない。

船は鍛治神プタハの化身、
牡羊姿の四人に導かれてゆく。

第九の門

第九の門の先は、満ち足りている。

ここは死者が地上の供物を受け取る場所。

流れの急になった川は
12の星の神たちがその方向を整えながら
ラーの復活を願い歌う。

第十の門

第十の門の先には、再生が待つ。

より加速する川の流れ。
船は多くの魂に見送られながら進んでゆく。

タマオシコガネの姿のケペルは
再び船に舞い戻り、

亡骸のラーと一つになって
復活の時は目前に。

第十一の門

第十一の門の先には
最後の地獄が待ち構える。

禍々しい女神が火を吹き、
辺りは火炎に包まれている。

川は流れを失速させ、
神々によって引かれて進む。

第十二の門

いよいよ迎えた第十二の門。

夜明け最後のこの場所で
これまで船を導いてきた12の夜の女神たちは、
一斉に門の先に待つ国の名を呼ぶ。

そこは、巨大な蛇の体の中にある特別な国。

蛇の腹を進むにつれて
ラーは徐々に復活の力を蓄える。

蛇の口より出て東の空へと運ばれるうち、
ラーの古い体は捨てられ、
まばゆいほどの光が満ち、

タマオシコガネの姿のケペルは
太陽そのものに、

ラーは新たに朝のケペルの姿となって
東の空に日の出として現れる。

こうして太陽神ラーは
日毎死しては復活し、
また次なる船の旅を繰り返すのである。

太陽神ラーの、長い長い1日の物語。

お楽しみいただけましたか?

さて、地下世界が冥界ひいては
地獄に通づる概念は、
日本においても共通しています。

仏教では、生前犯した罪の程度により
下へ下へと落とされ、
その深さは第8層まで・・・

刑期はいちばんやさしい場所で
1兆年を優に超える絶望的な地獄が待っています。

世にも恐ろしい地獄絵図、
あなたはどこまで耐えられるでしょう。

日本の八大地獄については
こちらの記事でご紹介していますので
ぜひご覧ください。

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