世界を揺るがす!伝説の刀剣7選!
世界中の伝承に伝わる刀剣の数々。
英雄の遺産、あるいは神代の神器。
伝説をともにした美しき刃には
壮大な歴史が刻まれています。
さて、どのような物語が
秘められているのでしょう。
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、歴代の聖戦を物語る
伝説に伝わる7つの名剣をご紹介します。
エクスカリバー / アーサー王伝説
アーサー王伝説に伝わる
魔法の力を宿した聖剣・エクスカリバー。
その切れ味は、硬い鉄を
まるで木を裂くかのように
いとも簡単に切り落とし、
その刀身は、
百本の松明を束ねるよりも
強い輝きを放ちます。
“石に突き刺さるエクスカリバーを
引き抜ける者こそ“真の王”である。“
こう言われる聖剣エクスカリバーを
引き抜いたアーサー王は、
その剣を以て侵攻してきた
サクソン人の軍勢を
たった一人で470人打ち倒すなど
数々の武勇を打ち立てました。
アーサー王の詳細な伝説は
文献によって異なりますが、
物語はアーサー王とエクスカリバーの
最後までが描かれています。
致命傷を負ったアーサー王は、
死の直前、キャメロット城の円卓を
王とともに囲むことを許される
選ばれし円卓の騎士の一人ベディヴィアに
エクスカリバーを託し、
湖に投げ込むよう指示しました。
ベディヴィアが
湖に剣を投げ込もうとすると
湖の中から何者かの手が現れ、
エクスカリバーを受け取ると、
そのまま水の底へと消えていったといいます。
デュランダル / ローランの歌
1050年頃に成立した
フランス最古の叙事詩『ローランの歌』。
物語の主人公、英雄ローランは
不滅の聖剣デュランダルを携えています。
黄金の柄の中には、
聖母マリアの衣服の一部、
聖ペテロの歯、聖バシリウスの血、
聖ディオニュシウスの毛髪など、
聖遺物が納められており、
それゆえ、
この聖剣は決して破壊されない
と言われています。
物語は、
のちの初代神聖ローマ皇帝となる
カール大帝率いるフランク王国と
イベリア半島のイスラム帝国の戦い、
そして、カール大帝の甥にして
武勇に秀でる聖騎士の一人、
英雄ローランの伝説が描かれています。
『ローランの歌』によれば、
聖剣デュランダルは元々、
カール大帝が天使より授かり、
その後、ローランに与えられたものとされています。
ある時、カール大帝とともに
7年に渡るイベリア半島の遠征に
従軍したローランは、
やがて大帝が王国へと戻る際、
仲間と共に殿を勤めることとなりました。
ローラン率いる2万の兵に対し、
イスラムの兵は40万。
圧倒的に不利な状況の中、
ローランは聖剣デュランダルを手に
次々と敵を撃退し、
相手国の王の右手首を切り落とすという
活躍を見せました。
しかし戦いが進むにつれ
仲間を一人、また一人と失い、
とうとうローランも力尽きてしまいます。
ローランは死の直前、
聖剣デュランダルが敵の手に渡るのを恐れ
岩に叩きつけ破壊しようとしました。
しかし、デュランダルには傷一つつかず、
逆に岩が真っ二つに引き裂かれたと言います。
勝利の剣
北欧神話の神々の中で
最も美しいと伝わる、豊穣神フレイ。
彼が持つのは、神器“勝利の剣”です。
愚者が持てば、何も切れない
なまくらな剣。
しかし、賢者が持てば、
剣はひとりでに動き出し、
敵を討ち倒すとされています。
ところが、かつてフレイは
美しい巨人の娘、光の乙女・ゲルズに一目惚れし、
彼女に求婚した際に、贈り物の一つとして
勝利の剣を譲り渡してしまうのです。
何度も拒絶されつつも、
どうにか結婚まで漕ぎつけたフレイ。
しかしその代償は、
あまりに大きいものでした。
やがて来る、
運命に定められた世界の終末の日、
“ラグナロク”。
神々対巨人の最後の戦争という
重大な局面で、
フレイも戦場に赴きますが、
“勝利の剣”を手放してしまっていたために
勝てる相手に敗れ、命を落としてしまうのです。
どんな手を使ってでも
ゲルズを我が物にしようと四苦八苦する
豊穣神フレイの恋物語については、
こちらの記事でご紹介していますので
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
→ 『【北欧神話12】豊穣神フレイと光の乙女ゲルズの恋物語』
冷艶鋸
三国志の武将・関羽の愛用した
青龍偃月刀・冷艶鋸(れいえんきょ)。
偃月刀(えんげつとう)とは、
中国における大刀の一種で、
長い柄の先に、湾曲した大きな刃が取り付けられている刀です。
偃月刀の中でも
刃に青龍の装飾が施されたものを
“青龍偃月刀”といい、
これは関羽を象徴する武器でもありました。
『三国志演義』によると、
関羽は、商人・張世平(ちょうせいへい)から鋼をもらい、
村の鍛冶屋で青龍偃月刀・冷艶鋸を作ったとされています。
冷艶鋸の重さは、82斤。
時代によって差はありますが、
換算すると、おおよそ18kg~50kgの重さになります。
この相当な重さの刀を
関羽は馬に跨りながら片手で振り回し、
戦場を駆け回ったと言われています。
倶利伽羅剣
大日如来(だいにちにょらい)の化身、
不動明王が右手に持つのは
降魔の剣・倶利伽羅剣(くりからけん)です。
その名は、不動明王の化身とされる
竜王・倶利伽羅(くりから)が
燃え盛る炎となって
剣に巻きついていることが
由来とされています。
人間の根元的な3つの煩悩、
欲のままに求めむさぼる貪(とん)・
怒りのままに忌み嫌う瞋(じん)・
無知のままに歪み惑う痴(ち)。
この三毒を打ち破るとされるのが、
倶利伽羅剣です。
三毒(さんどく)とは、
人の苦しみの原因となるため、
これを消滅させれば人の心は救われ
解放されるとされます。
不動明王は、悪を断ち切り、
全ての人を仏道に導く仏様のこと。
右手に持った倶利伽羅剣で
煩悩を切り裂き、
左手に持った羂索(けんさく)と呼ばれる
縄で悪を縛り、
煩悩を断ち切れない人を吊り上げて
正しい道へと救い導くのです。
天羽々斬
日本神話に登場する英雄神
スサノオノミコトの携えた刀剣・天羽々斬(あめのはばきり)。
かつて出雲国に住み着き悪さをしていた
大蛇の怪物ヤマタノオロチを
スサノオが退治した際、
用いられたとされる剣です。
伝説には、
ヤマタノオロチを切り刻んだ時、
尾の部分に入っていた
天叢雲剣という剣に当たり、
切先が欠けてしまったと伝えられています。
伝説の登場する
日本最古の歴史書・古事記には
剣の名前はまだなく、
ただ「拳10分の長さの剣」としか
記されていませんでしたが、
のちにヤマタノオロチを退治したことで
固有の名前が与えられました。
天叢雲剣
ヤマタノオロチの体内から出てきた
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、
のちの名を草薙剣は、
三種の神器の一つとなる宝物です。
(八咫鏡、八尺瓊勾玉、草薙剣)
ヤマタノオロチとの戦いの後、
スサノオノミコトはこの剣を
八百万の神々の最高神・天照大神へと献上します。
やがて第十代 崇神天皇の時代に
宮中に残す形代が作られたのち、
本体のみ伊勢神宮へと移動します。
さらに草薙剣は、
第十二代景行天皇の息子・ヤマトタケルが
東の国へ遠征に向かう際、
伊勢神宮で叔母のヤマトヒメノミコトから
ヤマトタケルへと授けられました。
彼の没後も妻ミヤズヒメが受け継ぎ、
尾張国の地で守られていました。
やがてその場所に熱田神宮が創建されると
草薙剣は、天照大神を依らせる御神体
として祀られ、現在も名古屋の地に鎮座しています。
平安時代末期になると、
草薙剣は壇ノ浦の戦いにおいて
平家一門の滅亡とともに関門海峡に沈み、
その後行方不明となりました。
かつて伊勢神宮から朝廷へと献上され
歴代天皇に継承される形代の草薙剣は、
現代まで大切に伝世されています。
さて、ヤマタノオロチの尾から
なぜか現れたと伝わる一本の剣。
その因果は一体どこにあるのでしょう?
神話の舞台、奥出雲の地に残された
様々な痕跡を繋ぎ合わせると、
やがてそのヒントにたどり着きます。
「その目はホオズキのように真っ赤で
その腹はいつも血で爛れている」
伝説の真相、怪物ヤマタノオロチの
驚愕の正体については、
こちらの記事でご紹介していますので、
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
→ 『日本古来の怪物と現代に残る痕跡!ヤマタノオロチの驚愕の正体!(前編)』