宇宙人はどこにいる?宇宙人が存在する確率“ドレイクの方程式”
輝く星空を見上げる、あなた。
「果たして宇宙には
私たち人間と同じように
文明を築き暮らしている
宇宙人が存在するのだろうか?」
きっと誰もが、一度は
思い浮かべたことのある疑問でしょう。
その漠然とした謎を前に、
知的生命体の存在する確率を
科学的に導き出す方程式を生み出した
ある一人の天才がいました。
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、宇宙人の存在の可能性を
解き明かす“ドレイクの方程式”について
ご紹介します。
地球外生命体 探索の歴史
時は1960年代、
アメリカとソ連が宇宙開発の覇権をめぐり
激しく争っていた開発競争の真っ只中、
アメリカの天文学者が
とある方程式を提唱しました。
フランク・ドレイク(1930-2022)。
彼は地球外生命体による宇宙文明を
発見するという世界初のプロジェクト、
通称SETI(セティ)に参加し、
その第一弾となるオズマ計画(1960年)を企画した人物です。
オズマ計画とは、
電波によって宇宙文明の痕跡を探し出す
取り組みのことで、
その名は童話「オズの魔法使い」の中で
魔法使いオズと電波で通信し合うお姫様、
オズマに因んだものでした。
そして計画の翌1961年、ドレイク博士は
私たちの所属する銀河の中で
人類とコンタクトする可能性のある
宇宙文明の数を算出する式、
“ドレイクの方程式”を編み出したのです。
“ドレイクの方程式”
宇宙に存在する文明の数を求めること、
それはすなわち、
宇宙人が存在している可能性を求めることに繋がります。
具体的な数字を導くにあたり、
まずは“ドレイクの方程式”の仕組みを
紐解いていきましょう。
・N
ドレイクの方程式は、
地球の属する天の川銀河の中に
存在するであろう文明のうち、
電波を用いて地球と通信可能な文明の数
を算出するための式です。
ドレイク博士は
その答えとなる数をNと置き、
さらに算出に必要となる7つの項目を洗い出しました。
・R*
最初に挙げられたのは、
「天の川銀河の中で
一年間に誕生する恒星の数(R*)」です。
恒星とは、太陽のように
自ら光を発して輝く星のことです。
・fp
次に、「そうして誕生した恒星のうち、
一つ以上の惑星を持っている割合(fp)」
が、二つ目の項目として挙げられました。
惑星とは、
太陽を中心に回る地球のように、
恒星の周りを公転する天体のことです。
太陽系で言えば、
水星・金星・地球・火星・
木星・土星・天王星・海王星
の八つの惑星があります。
・ne
さらに「そうした一つの恒星系のうち
ハビタブルゾーンにある惑星の数(ne)」
が、三つ目の項目として挙げられました。
ハビタブルゾーンとは、
惑星の表面に液体の水が存在できるような
領域のことを指します。
太陽のように光を発する恒星から
ちょうど良い距離に惑星があること。
また、その惑星の大きさが程よいこと。
この二つが揃えば、
生命の誕生に必要な液体の水が
存在可能であると考えられています。
・fl
そして、そこに四つ目の項目、
「惑星上で生命が誕生する割合(fl)」
を掛け合わせることで、
“その惑星に生命が生まれる確率“が導き出されます。
現在のところ、
生命が誕生するには、大きく
“液体の水”・“有機物”・ “エネルギー”の
三つが必要であると言われています。
地球上の生命が海から始まったように、
“液体の水”が色々なものを溶かし、
その中で出会った様々な物質が
化学反応を起こして、
“有機物”が合成されます。
“有機物”とは、
炭素を含む化合物の中でも
炭素と酸素からなるものを指し、
おおまかには、動植物の体を構成する物質のことをいいます。
それらを膜で閉じ込めることで
生命としての形が出来上がります。
生命は、自らの体内で化学反応を起こし
活動に必要なエネルギーを作り出します。
これには、“液体の水”と、
太陽や地下のマグマといった
“外部から供給されるエネルギー”が
非常に重要な役割を果たしています。
これらの条件が整ってようやく、
惑星に生命が誕生する可能性が生まれるのです。
・fi
「そうして誕生した生命の中から
知的生命体が誕生する確率(fi)」、
それが五つ目の項目になります。
生命が誕生したのち、
それが知的生命体にまで進化するには
膨大な時間が必要だと考えられています。
例えば地球では、原子的な生命の誕生から
30億年以上かけ様々な生物が進化し、
人類が生まれたのは今から約20万年前だとされています。
さらには、
ただ時間が必要なだけではありません。
こちらの記事でご紹介の通り、
爆発的に生物が誕生したカンブリア紀以降
5回の大量絶滅が地球を襲い、
時には全体の95%もの種が失われるなど
進化の過程には様々な困難が待ち受けているのです。
・fc
数多の局面を生き残り、
進化した知的生命体。
彼らが「宇宙に存在する他の文明に向け
通信できるような電波通信の技術を持つ確率(fc)」
が六つ目の項目です。
・L
そして、彼らが築いた
「その文明の寿命(L)」が
最後の七つ目の項目となります。
N= R* × fp× ne× fl× fi × fc ×L
N:天の川銀河で電波を使い地球と交信できる文明の数
R∗:天の川銀河で1年間に生まれる恒星の数
fp:1年間に生まれる恒星が1つ以上の惑星を持っている割合
ne:1つの恒星系でハビタブルゾーンにある惑星の数
fl:惑星上で生命が誕生する割合
fi:誕生した生命の中から知的生命体が生まれる割合
fc:知的生命体が電波通信の技術を持つ割合
L:その文明が継続する年数
宇宙人が存在する確率
これでようやく
“ドレイクの方程式”が完成しました。
それでは、ここに数字を当てはめて
“私たちの銀河に存在する宇宙文明の数(N)”を算出してみましょう。
・R* : 10
私たちのいる天の川銀河で
一年間に誕生する恒星の数(R*)は、
およそ10個。
・fp : 0.5
そのうち、一つ以上の惑星を
持っている恒星の割合(fp)は、
50%(0.5)。
近年、ケプラー宇宙望遠鏡の観測により
あらゆる恒星のうち、
その半数程度が一つ以上の惑星を持つことがわかりました。
・ne : 1.0
そして、それらの恒星系の中で
ハピタブルゾーンにある惑星の数(ne)は、
約1個。
太陽のように大きな恒星には、
およそ0.1個。
太陽よりも小さな惑星には、
およそ1~数個もあることから、
平均して1という数字になります。
・fl : 1.0~0.001
ハピタブルゾーンにある惑星上で
生命が誕生する割合(fl)は、
振れ幅があります。
“液体の水”・“有機物”・ “エネルギー”の
三つの条件が揃いさえすれば
生命は誕生すると考えられるため、
一般的には100%(1.0)とされています。
しかしその一方で、条件が揃ったとしても
化学反応がうまくいかなかった場合には
限りなく0に近づくとも言われています。
・fi : 0.01
誕生した生命の中から
知的生命体が生まれる割合(fi)は、1%(0.01)。
ただし、不確定要素が非常に多いため
あくまで憶測となり、
場合により1%以下にもなりえる
と考えられています。
・fc : 1.0
知的生命体が
電波通信の技術を持つ確率(fc)は、
ほぼ確実と考えられるため、100%(1.0)。
これは、誕生した知的生命体は
物理法則を探究し、
いつしか電波通信を持つ文明になると
考えられているためです。
・L : 10,000(年)
そして最後に、
彼らの文明が存続する年数(L)には、
10,000という数字が入ります。
これについては、
最も不確定であるものの、
ドレイク博士の「1万年ほどは文明が続くだろう」という推定をもとに、
ここではこの値を置きます。
・N
さて、これら7つの項目から、
方程式の解にはこのような数字が現れます。
つまり、天の川銀河には、
私たち人類を含め、
知的生命体の作り出した文明は
500個~0.5個存在すると算出されるのです。
実際のところ、
ドレイクの方程式は不確定な要素が多く、
あくまで憶測の域を出ないという意見もあります。
しかし、その一方で
宇宙には、天の川銀河のような銀河が
観測可能な範囲だけでも2兆個を超える
ことが明らかになっています。
さらにそれらの銀河の中には、
大小の差はあるものの
およそ2000億もの星が含まれるとされ、
銀河の数だけ掛け合わせれば
星は文字通り、“星の数ほど”無数に存在するのです。
無数にある星の中で、
文明を築いた知的生命体が
私たち人類しかいないと考えるのは、
返って難しいのかもしれませんね。
かつて、とある天才は言いました。
宇宙に存在するであろう文明の
発展度合いを5段階で評価する時、
我々人類の文明は、
たった1にも満たない「0.75」である
と。
私たちはまだ気づいていないだけで、
実は、遥かに進んだ文明が
地球を取り囲んでいるのかもしれません。
人類の想像を凌駕する
宇宙文明レベルについては、
こちらの記事でご紹介していますので
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
→ 『人類の文明レベルは0.75!?想像を凌駕する宇宙文明レベルとは?』