世界を制した巨神たち!最強の巨人5選

古の世界に生きた人々は
その驚くべき光景を
目の当たりにしたのでしょうか。

世界各地の神話に共通して描かれる
山をも超える、巨人の姿。

彼らは神の如き存在か。
はたまた、邪悪な化け物か。

こんにちは。えむちゃんです。

今回は、世界を制した5体の巨人をご紹介します。

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ヘカトンケイル / ギリシャ神話

ギリシャ神話に伝わる
とてつもない怪力の巨人、ヘカトンケイル

大地の神ガイアと、
宇宙を統べた原初の王ウラノスの間に生まれたヘカトンケイルは、
それはそれは恐ろしい姿をしていました。

100の腕に、50の頭。

父ウラノスは、醜い赤子を忌み嫌い、
生まれたヘカトンケイルやその兄弟たちを
母ガイアの胎内に押し戻してしまいます。

これに怒ったガイアは、
末の息子、クロノス
ウラノスを追放させ
子供たちを取り戻しますが、

兄弟のおぞましい姿に、
今度はクロノスによって
ヘカトンケイルは落の底タルタロス
閉じ込められてしまうのです。

そんな彼をのちに奈落から救い出したのは
クロノスの息子、後に最高神となるゼウスでした。

父クロノス率いる巨人族、
すなわちティタン神族と
息子ゼウス率いる神々が対立し
激しく争った時、
ゼウスは、祖母ガイアから助言を受けます。

奈落に幽閉された私の息子、
ヘカトンケイルとキュクロプスを
味方につけなさい

ゼウスはガイアの言う通り、
ヘカトンケイルとキュクロプスを
奈落の底から救い出しました。

鍛治に秀でる一つ目の巨人キュクロプスは
ゼウスたちに神器を作り、
怪力の巨人ヘカトンケイルは
100本の剛腕で一度に300もの大岩を
次々と敵に向かって投げつけました。

岩は一つひとつが山の如き大きさでした。

ヘカトンケイルの絶え間ない攻撃は
ティタン神族に大きな痛手を与え、
ゼウスたちの勝利に大きく貢献し、

その後は、奈落に落とされた
ティタン神族たちの監視に就いたとされています。

原初の巨人ユミル / 北欧神話

北欧神話に伝わる
世界が創造されるより前に生まれた
原初の巨人ユミル

それはまだ地上に何もない、
神々すら生まれていない
全てが混沌であった時代。

あるとき、
極寒の世界ニヴルヘイムから流れ出た水が
底なしの空虚ギンヌンガガプの冷たい突風にあてられ氷となり、
灼熱の世界ムスペルヘイムの熱風により蒸気となって、
そして雲になりました。

雲は徐々に形を変え、
ついには大きな人の姿となります。

原初の巨人、ユミルの誕生です。

何もない世界で
なんとか生きながらえたユミルは
やがて体のあちこちから
何人もの巨人を生み出しました。

霜の巨人と呼ばれる彼らは
のちに生まれた神々と対立し、
激しい争いが勃発します。

ユミルは巨人を率いて
力の限りを尽くしますが、
ついには最高神オーディンらに敗れてしまうのです。

ユミルの傷口から流れた大量の血は
洪水となって
ほとんどの巨人たちを飲み込み、

ユミルの亡骸はオーディンらによって
天地創造に使われました。

大地、天空、海、山、川、そして草木。

世界のすべては、こうして
母なるユミルの巨大な体から生まれたのです。

ユミルの誕生から天地創造までの
詳細な物語については、
こちらでご紹介していますので、
ご興味のある方はぜひご覧ください。

クンバカルナ / インド神話

あらゆる生物を喰らい
永遠の眠りの呪いをかけられた
インド神話に伝わる鬼神・クンバカルナ

古代インドに伝わる島
ランカー島で最も巨大な体を持ち、
その大きさは山と同等。

広大な口に、黒い肌。
血と脂の臭いを漂わせ、

口から吐く息は強風となり、
怒れば火を吹き、

雄叫びは百の雷ほどもあるといいます。

そんなクンバカルナの恐ろしい伝説は
叙事詩『ラーマーヤナ』に登場します。

生まれてまもなく、
あらゆる生物を貪り食ったクンバカルナ。

その狂気的な様子を目の当たりにした
英雄神インドラは、
クンバカルナを討つべく、雷を放ちました。

しかし、クンバカルナは雷を物ともせず、
それどころか軍の神であるインドラに
怯むことなく反撃し、

危機を感じたインドラは
創造神ブラフマーに助けを求めました。

ブラフマーはクンバカルナに
6ヶ月間の眠りと
一日だけの目覚めを繰り返す
という呪いをかけ、
事態は一旦収拾したのでした。

時が経ち、激しい戦争が勃発したある日、
呪いによって眠っていたクンバカルナは
無理やり叩き起こされることとなります。

目を覚ますなり、クンバカルナは
猛将たちを手当たり次第に打ち倒し、
次々に兵士を飲み込み、
山の頂を掴んで投げて、大暴れ。

大いに活躍しましたが、
ついには討ち取られ、
四肢を切り落とされてしまいます。

大変な重傷を負いながら、
なおも大口を開け
敵を飲み込もうとしたその瞬間、

口の中に、溢れるほどの矢を打たれてしまうのです。

息ができずもがき苦しむクンバカルナ。

最期には、
放たれた古代兵器インドラの矢
首を切り落とされ、
体は海に深く沈んでいったとされています。

魔眼のバロール / ケルト神話

ケルト神話に伝わる
邪悪で乱暴な異形の巨人、フォモール族

その姿は様々で
ある者は山羊や馬、牛などの頭を持ち、
またある者は、単眼で隻腕、一つ足でした。

古くからアイルランドの地に住み、
あらゆる侵入者たちと
激しい戦いを繰り広げてきた
フォモール族の戦士たちを
先陣切って率いるは、魔眼のバロール

閉じた片目が開かれる時、
睨まれた相手は命を落とすといわれています。

非常に強い力を持ち、戦闘においては
神々の一族、ダーナ神族の王ヌアザを打ち倒すなど、
数々の伝説を残しました。

そんな猛将バロールは、ある時、
「孫によって倒される」という予言を受けます。

予言を恐れたバロールは
娘を幽閉しますが、
娘は敵対するダーナ神族の青年との間に
光の神ルーを設け、孫が誕生してしまいます。

これには、かつてフォモール族は
ダーナ神族と同盟を結び、
そのしるしとして、二人を結婚させたという経緯があります。

その後両族は決裂。

敗北したダーナ神族は酷い支配に苦しみ、
そしていま再び、フォモール族に戦いを挑むのです。
第二次マグ・トゥレドの戦い

バロールは魔眼によって敵を一掃すべく、
四人の部下に瞼を持ち上げさせようとしましたが、その瞬間、

敵軍に潜む光の神ルーが放った石が
バロールの目を貫き、
恐れていた予言は現実となってしまったのでした。

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ダイダラボッチ / 日本神話

日本各地の伝承に残る伝説の巨人、
ダイダラボッチ

地域によって呼び名は異なり、
デエダラボッチ、大太郎坊、
大人弥五郎といった名があります。

歩けば足跡は湖となり、
土を運べば山となり、

高い山に腰をかけ
大地に広がる川で足を洗う。

その存在は、妖怪、
或いは神話の世界から来た
神に近い存在だとされています。

古くは、奈良時代初期、
713年に編纂された『常陸国風土記』や、
715年頃に編纂された『播磨国風土記』に登場し、
ダイダラボッチが歩き回った跡が
沼になった様子が綴られています。

また、別の伝承によると
日本の象徴である富士山は、
ダイダラボッチが近江の土を掘って作ったもので、
その際にできた堀跡が琵琶湖になったとも言われています。

このほかにも巨人伝説は
日本各地に数多く存在し、
人々にその力を恐れられていましたが、

困っている人々を助けたという伝承も
複数残されており、親しまれていたことも窺い知れます。

日本の妖怪は
時に恐ろしく、時に優しく、
神聖なものであり、悪しきものであり、

神のように遠いと思えば、
ふいに目の前に姿を表す
なんとも不思議で、魅力的な存在です。

しかし、中でも凶悪と伝わる大妖怪には
くれぐれもご注意を。

古い伝承には、人の命を奪って暴れる
化け物たちの姿がありありと描かれているのです。

日本史上”最凶”と謳われる
八体の大妖怪
については
こちらでご紹介していますので、
ぜひチェックしてみてくださいね!

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