あらゆる災厄を防ぐ鉄壁の防御!神が作りし最強の盾5選!
神々の一撃すらも跳ね返す
世界に伝わる伝説の盾。
最強と謳われるそれらの盾は
まさしく鉄壁の如く、
時に特別な性能を発揮しながら、
主の命を守り抜く。
輝かしい栄光の勝利に、
激しい復讐劇の末に、
悲劇と涙の果てに。
あらゆる想いを胸に、神器の主は盾を構える。
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、あらゆる災厄を防ぐ鉄壁の盾5選をご紹介します。
アイギスの盾 / ギリシャ神話
ギリシャ神話に伝わる、最強の盾。
アイギスの盾は、
あらゆる災厄から持ち主を守る。
盾を握るは最高神・ゼウス、
あるいはその娘、知恵と戦の女神・アテナ。
アイギスは、
鍛治の神・ヘパイストスによって作り出され、
最高神ゼウスの育て親である
牝山羊・アルマテイアの皮が張られています。
形状は様々に描かれ、盾、または
胸当てや肩当てのようなものとされています。
そして盾の中央には
たくさんの蛇を頭に生やし、
見るもの全てを石にする怪物
メドゥーサの生首がはめ込まれています。
メドゥーサは元々、美しい人間の女性でした。
彼女に見惚れた海の神ポセイドンは
彼女を愛人に迎え、ある時、
女神アテナの神聖なる神殿で情を交わしてしまいます。
アテナはこれに激怒し、
メドゥーサとその二人の姉妹を
恐ろしいゴルゴンの姿に変えてしまうのです。
怪物メドゥーサは
英雄ペルセウスによって討伐され、
その首と血がアテナに捧げられると、
首は彼女の持つアイギスの盾に嵌め込まれました。
メドゥーサの石化の能力によって
盾は一層優れた防御力を備え、
向かい来る敵を硬直させたといいます。
たった一撃で
世界を焼き尽くすほどに強いとされる
ゼウスの雷霆すら物ともしない、アイギスの盾。
まさに、最強の名に相応しい神器です。
フィンの盾 / ケルト神話
ケルト神話に伝わる、猛毒の盾。
フィンの盾に、敵は触れることさえ叶わない。
盾を握るは、伝説の騎士団・
フィアナ騎士団の団長フィン・マックール。
太陽のように明るい金髪に、
真っ白で美しい肌。
「金色の髪」を意味する“フィン”は、
ダーナ神族の王ヌアザの孫娘マーナと
先代の騎士団長クールとの間に生まれました。
幼くして父が殺され、
敵の追討から逃げる形で密かに育てられますが
彼の類稀なる才能は、
フィンを陰に留めてはおきませんでした。
幼少の頃より、
運動や戦いにおいて抜群の成績を誇り、
成長とともにフィンの名は広く知れ渡ります。
やがてフィアナ騎士団の団長になると、
優秀な部下たちとともに騎士団の最盛期を築きました。
そんなフィンが携える盾は、
猛毒を纏う危険な代物。
敵に向ければ、いかなる猛者も逃げ出します。
かつて神々と敵対する邪悪な巨人、
その目を見開くだけで敵の軍勢を薙ぎ倒す
魔眼のバロールを打ち倒した時、
切り落とした首は
ハシバミの木の枝分かれに置かれ晒されました。
首から伝う血によって枝は毒気を帯び、
その枝から作り出されたのが、フィンの盾です。
魔眼のバロールについては、
こちらの記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
アキレウスの盾 / ギリシャ神話
ギリシャ神話に伝わる英雄の盾。
アキレウスの盾は、亡き戦友の仇を討つ。
盾を握るは、海の女神テティスを母に持つ
大英雄アキレウス。
一説には、
母テティスはアキレウスを産んだ際、
息子を不死身にしようとその足をつかみあげ、
冥界に流れるステュクスの川の水に
アキレウスの体を浸しました。
掴んだ踵の一部を除いて、
アキレウスは不死身となり、
戦場では一騎当千の戦士として大活躍します。
ギリシア遠征軍とトロイア王国の間で勃発した
トロイア戦争においては、
トロイア最強の戦士にして王子である
敵将ヘクトールと一騎討ちになりました。
アキレウスには、
決して負けられない理由がありました。
先の戦いで、無二の親友であるパトロクロスを
ヘクトールによって殺されたのです。
パトロクロスは
アキレウスに借りた防具を身につけて
戦場に臨んでいましたが、それも奪われてしまいました。
アキレウスの母テティスは
鍛治の神ヘパイストスに頼み込み、
新たに盾と防具を贈ります。
神より賜った特別な武具に
身を包んだアキレウスは、
凄まじい強さでヘクトールを圧倒し、
復讐を果たすのでした。
その後、アキレウスは
ヘクトールの弟パリスの放った矢を
唯一の弱点である踵に受け、命を落とします。
踵、すなわちアキレス腱は
アキレウスの名が由来です。
アイアスの盾 / ギリシャ神話
ギリシャ神話に伝わる、要塞の如き巨大な盾。
アイアスの盾は、降り注ぐ矢の雨にも屈しない。
盾を握るは、アキレウスの従兄弟であり、
彼に次ぐ強さを誇った英雄アイアス。
盾は大きく、青銅製で七枚の牛革が貼られ、
しかしその形状については謎に包まれています。
アキレウスと同様、ギリシャ勢として
トロイア戦争に参加したアイアスは、
同じく敵将ヘクトールと一騎打ちを行いました。
その際、ヘクトールの鋭い槍を受けても
盾は微動だにせず、
七枚目の革まで貫かれたのみに留めます。
動く要塞と称された、
堅く巨大なアイアスの盾。
弓の名手である弟テウクロスと協力し、
アイアスがあらゆる攻撃を盾で防ぐ間に
テウクロスが次々と敵を矢で撃ち抜く
という戦法によって、二人は戦地を無双しました。
ヒルドルの帆 / 北欧神話
北欧神話に伝わる、蘇りの盾。
ヒルドルの帆は、秘めたる魔力で
戦死者たちに再び命を宿す。
盾を握るは、
戦場を駆けるワルキューレの乙女ヒルドル。
『エッダ』の『詩語法』には、
このように記されています。
ヒルドルの父、ホグニが
しばらく家を空けていたある日のこと。
彼女の元に
ヘディンという名の王子がやってきて
嫁にもらおうとヒルドルを攫ってしまいました。
父ホグニは大切な一人娘を探し回り、
スコットランドのホイ島という島で
ヘディン王子とその軍勢とともにいる娘ヒルドルを見つけます。
ヒルドルは王子に代わって
父ホグニに和睦と首飾りを贈り、
二人の仲を取り持とうとしました。
しかし、ホグニは既に
剣を抜いてしまっていたのです。
一度抜けば、血を浴びるまで鞘に収まらず
決して癒えることのない傷を与えるとされる
魔剣ダーインスレイヴ。
軍を率いての二人の戦いは何年も続き、
多くの人々が命を落としました。
夜になると、ヘディンとホグニは
それぞれの陣営に帰りますが、
ヒルドルは一人戦場に留まり、
戦死した兵士たちを魔法の盾で蘇らせ、
そうして翌日、戦いは再び始まる。
この“ヒャズニャングの戦い”は、
世界が終わるラグナロクのその日まで
永遠に繰り返されるのです。
ところで、別の詳しい伝承によれば、
この物語には陰に黒幕がいるとされています。
何重にも張られた、複雑な罠。
全ては出会いから仕組まれていた。
北欧神話の悲劇。
忘却の杯と永遠の戦いの物語は、
こちらの記事よりご覧ください。
世界の神話に伝わる、最強の盾の数々。
守りの盾に対抗するは
鋭い穂先で打ち破る、攻めの槍。
神をも貫く最強の矛!幻の槍5選については、
こちらの記事で詳しくご紹介していますので、
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!