銀河の大きさを体感!宇宙最大級の銀河の大きさ比較!
地球の直径、約1万2千km。
観測史上最大の恒星の直径、約30億km。
こうした巨大な星々を数千億と含む銀河は、
その大きさを表す単位が異なります。
1光年とは、すなわち9兆5千億km。
このスケール感を、どうぞ最後まで
頭に留めておいてください。
これから並べる、最大級の銀河の数々。
あまりの大きさに、
あなたの感覚は次第に狂いだし、
この記事を読み終わる頃には、
この世界がまるであやふやになるような、
そんな不思議な心地に包まれているかもしれません。
こんにちは。えむちゃんです。
今回は、想像を遥かに凌駕する!
宇宙最大級の銀河の大きさ比較をご紹介します。
太陽が如何に大きい星かを体感できる
地球と太陽系の惑星比較、
そして、太陽をも凌ぐ
宇宙の巨大な天体比較については、
こちらの記事でご紹介しています。
先に見ていただくことで、
内容理解が深まりますので、併せてぜひご覧ください。
天の川銀河 (105,700光年)

私たちの住む星、地球。
属するは、巨大な太陽を中心とする太陽系。
そして、その太陽系を
遥か端の方に抱えているのが、天の川銀河です。
天の川銀河には、
太陽のように自ら光や熱を発する恒星が
1000億から4000億個も存在すると言われています。
直径約10万光年、
厚みはおよそ1000光年。
質量は、太陽の約1.5兆個分。
中心には、太陽の約400万倍の質量を持つ
超大質量ブラックホールがあり、
そこから発せられる強力な電波や放射線が
銀河全体に影響を及ぼしています。
天の川銀河における地球の位置は、
中心から遠く離れた
約2万7千光年先の場所。
私たちが夜空に見上げる無数の星々は
天の川銀河のごくごく一部分。
広い広い太陽系も、
天の川銀河の中ではまるで塵のごとく
小さな星屑の集まりでしかないのです。
アンドロメダ銀河(220,000光年)

想像するにも難しい、巨大な天の川銀河。
しかし、宇宙にはさらなるスケールの銀河が
数多く存在しています。
天の川銀河の倍の大きさを誇るのは、
アンドロメダ銀河。
直径約22万光年、厚みは約7万光年。
およそ1兆個以上の恒星が存在していると言われています。
アンドロメダ銀河は
天の川銀河の約250万光年先に位置します。
最も近い距離にある銀河であり、
また、地球から肉眼で見ることのできる
最も遠い天体の一つでもあります。
アンドロメダ銀河の中心には同様に
超大質量ブラックホールが存在するとされており
その質量は、太陽の約1,000~10億倍相当と
推測されています。
ちなみに、太陽系から見て、
アンドロメダ銀河は、秒速300kmの速さで
接近しており、約40億年先の未来には
天の川銀河と衝突することが予想されています。
二つの銀河は互いを激しく狂わせたのち、
長い時を経て融合します。
地球は一体、どうなってしまうのでしょう?
しかし、ご安心を。
衝突の影響について、
我々人類は心配するに及びません。
なぜなら、もうその頃には
太陽は寿命を迎えて膨張し、
その激しい熱によって、地球は燃やされ
生命はみな絶滅しているはずだからです。
IC 1101(400,000光年)

天の川銀河から約10億光年先に位置する
明るい銀河、IC1101。
当初、直径約400万光年という
観測史上最大の銀河と考えられていましたが
技術の発展に伴い測定値が改められ、
現在では直径約40万光年という数字に
落ち着いたとされています。
それでも天の川銀河の約4倍。
とてつもない大きさです。
しかし実のところ、
その大きさも地球からの距離も
未だはっきりとは分かっていないのです。
可能性を秘める謎多き銀河、IC1101。
今後の調査によっては
予想を超える発見があるかもしれません。
NGC 6872(522,000光年)

地球からくじゃく座の方角に
約2億1200万光年離れた先にあるのは
渦巻く銀河、NGC 6872。
その直径は、約52万光年。
棒のように長く伸びた
特大の渦巻腕(かじょうわん)が特徴で、
そのうちの片方は形が大きく歪んでいます。
なぜ、これほどに不思議な形をしているのでしょう。

それは、近くにある比較的小さな銀河
IC 4970による影響と考えられています。
二つの銀河は互いに作用し合う
“相互作用銀河”。
歪んだ片腕が青く光って見えるのも、
IC4970が近くを通り過ぎたことで
青い天体が集中して存在するようになった
可能性があります。
A2261-BCG(1,000,000光年)

地球から遥か遠く、約30億光年離れた先で
一際輝く銀河、A2261-BCG。
その名の意味は、
“Abell2261 Brightest Cluster Galaxy”。
エイベル2261銀河団の中で
最も大きく、最も明るい銀河であることから
そう名付けられました。
直径は約100万光年。
天の川銀河のおよそ10倍の大きさ。
現在の宇宙科学における一般論として、
大きな銀河の中心には
超大質量ブラックホールが存在し、
さらに、ブラックホールの質量は
その銀河の質量に比例すると言われています。
A2261-BCGは大きい銀河であるため、
中心に抱えるブラックホールの質量もまた大きく、
少なくとも、太陽の質量の
30億〜100億倍にもなると推測されています。
ところが、この銀河における最大の謎。
銀河のコア、ブラックホールの存在が
未だはっきりと確認されていないのです。
調査開始から10数年。
科学者たちは現在もなお、
行方の知れないブラックホールを探し続けています。
NGC 262(1,300,000光年)

地球からアンドロメダ座の方角に輝く
螺旋状の銀河、NGC262。
直径、約130万光年。
銀河の中にはおよそ15兆個もの恒星が
存在すると考えられています。
「NGC262」という名前から
お気づきの方もいるでしょう。
先ほどご紹介した、棒状に渦巻く歪んだ銀河
NGC6872と同様の頭文字です。
NGCとは、ニュージェネラルカタログ
(New General Catalogue)の意味。
1888年、
天文学者ジョン・ドレイヤー氏が作成した
天体カタログのことで、
そこに掲載された7,840もの星雲や星団、銀河のうちの一つということです。
ESO 383-76(1,764,000光年)

地球からケンタウロス座の方角に約6.5億光年。
現在知られている中で
最大の大きさを誇る銀河、ESO383-76。
直径は約176万光年、
天の川銀河の、実に20倍ほどにも及びます。
巨大な楕円の形をしており、
これほどに大きく成長する過程には
一説には「共食い」と呼ばれる現象が起きたと推察されています。
銀河団の中心に向かって落ち込んだ
大きな銀河の後を追うように、
周辺の銀河や星々、暗黒物質などが流れていき
やがて「喰われる」ように、一つに融合するのです。
この経緯を物語るかのように、
こうした同様の銀河には
コアが複数存在するように見えると言います。
アルキュオネウス(16,400,000光年)

銀河の比較も集大成。
最後にご紹介するのは、
近年発見されたばかりの天体。
これまでの巨大な銀河を遥かに凌ぐ
規格外の、超巨大銀河です。
2022年2月。
オランダ・ライデン大学などの
研究チームが発表したその銀河は、
地球から遥か30億光年先に位置する
電波銀河アルキュオネウス。
電波銀河とは、
通常と比べて異常に強い電波を発する銀河のこと。
アルキュオネウスの場合、
天の川銀河のおよそ1万〜10億倍もの
強力な電波を放っています。
アルキュオネウスの大きさは、
電波ローブの広がりを含めると、
なんと約1640万光年。
天の川銀河の、160倍。
その中心に存在する
超大質量ブラックホールの質量は、
太陽のおよそ2億~6億倍にもなります。
途方もなく壮大なスケールです。
ギリシャ神話に登場する巨人
アルキュオネウスの名を取った極大の銀河は、
本体こそ小さいものの、
既知の銀河では最大の構造となっています。

桁外れの巨大な銀河の数々。
宇宙は果てしなく、
こうした大小さまざまの銀河が
少なくとも2兆個は存在すると言われています。
私たちの知らない、想像を超える天体が
きっとまだ、たくさんあるのでしょう。
さて、この無限とも思える宇宙について、
誰もが一度は疑問に思うであろうこと・・・
宇宙の果てには、いったい何があるのか?
ということ。
端の端まで行き着いた時、
そこには、どんな景色が広がっているのでしょう。
『宇宙の果てには何がある?想像を絶する宇宙の大きさ』については
こちらの記事でご紹介していますので、
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!